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借用状 しゃくようじょう

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃくようじょう【借用状】

古代には月借銭解(げつしやくせんのげ),中世には借券,近世には借用証文などとも呼ばれた。いずれも米・銭などの財物を借りるに際し,借主から貸主へ証拠書類として渡付される私的証文である。借物返弁が行われるとき,貸主は証文を借主に返却するが,ときには交差する墨線をもって文面を毀損する習慣があった。借用については利子が付加されたが,利率は時代によって異なる。令制によれば60日ごとに元本の8分の1を利子とし,480日を借用期限とし,利子が元本の10割に達するをもって借用限度とした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

借用状
しゃくようじょう

借券(かりけん)ともいう。古文書の一様式。米穀、銭などの借用に際し、借主(取主ともいう)が貸主に手交する証文で、返済期間、利分の担保条件などが記載され、同時に質券でもある場合が多い。古くは解(げ)、のちには「借申利銭事(かりもうすりせんのこと)」などと書き出す申状(もうしじょう)の形式をとった。元利返済後、借主に戻されて破棄、抹消されるまったくの私文書であり、担保物件の流質証文として貸主側に残されたもののみが現在まで伝存した。そのため同じ私文書である売券(ばいけん)などに比べて、その伝存量は極端に少ない。それはまた、「質物不可永財(しちもつえいざいとすべからず)」という法理によって、借券のみでは流質した担保物件を安定的に保持できず、再度「放券(ほうけん)」(売券)が作成されて、旧借券が破棄されたことにもよっている。
 内容はさまざまであるが、もっとも多いのは、やや小ぶりで粗末な料紙に記された農用種子稲の出挙(すいこ)証文であり、春(2、3月ごろ)の日付をもち、来秋までの返済を約すのが特徴である。次に多いのは、中世における金融組織としての利銭や講銭(信貴(しぎ)講銭、祠堂(しどう)銭など)の請取(うけとり)の際の証文である。なお、領主として借用の事実を認知したことを示すために、借用状の余白に加署することもあった(鎌倉幕府法追加)が、実例は伝存していない。[保立道久]

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