私文書(読み)シブンショ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

私文書
しぶんしょ

「公文書」、すなわち公務所または公務員が、その職務により作成すべき文書以外の文書をいう。なかでも、私人の名義で作成される文書が基本となる。文書は経済取引をはじめ社会生活において重要な役割を果たしているところから、公文書の偽造は広く処罰され、私文書の偽造についても「権利、義務若(も)しくは事実証明に関する文書若しくは図画(とが)」につき、他人の印章・署名の有無を区別して、その有形偽造(他人名義の文書作成)を処罰している(3月以上5年以下の懲役。刑法159条)。ただ私文書の無形偽造(虚偽文書作成)については、医師が公務所に提出すべき診断書、検案書または死亡証書に虚偽の記載をした場合に限り処罰される(3年以下の禁錮または30万円以下の罰金。同法160条)。なお、これら偽造私文書および虚偽診断書等の行使も処罰される(同法161条)。[名和鐵郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の私文書の言及

【古文書学】より

…最近ではコンピューターを利用して,ラテン文の文体の比較検討を通じて古文書の真偽を検討する手法も開発されている。また古文書は公文書と私文書に分けられる。前者は立法,行財政,司法,外交にかかわる文書で,古くはブレウィスbrevis,リテラエlitteraeと呼ばれ,後者は私人または法人の不動産の所有にかかわる権利証書でカルタcartaと呼ばれる。…

※「私文書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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