偏光プリズム(読み)ヘンコウプリズム

デジタル大辞泉 「偏光プリズム」の意味・読み・例文・類語

へんこう‐プリズム〔ヘンクワウ‐〕【偏光プリズム】

光を偏光させたり、偏光を検出したりするプリズムニコルのプリズムなど。

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精選版 日本国語大辞典 「偏光プリズム」の意味・読み・例文・類語

へんこう‐プリズムヘンクヮウ‥【偏光プリズム】

  1. 〘 名詞 〙 ( プリズムは[英語] prism ) 直線偏光を得たり偏光を検出したりするプリズム。前者の場合を偏光子後者の場合を検光子という。

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化学辞典 第2版 「偏光プリズム」の解説

偏光プリズム
ヘンコウプリズム
polarizing prism

自然光から偏光を取り出すことのできるプリズム.偏光を取り出すために用いるときこれを偏光子といい,偏光を調べるために用いるとき検光子という.複屈折性の結晶によって,光線常光線(等方性物質の屈折法則に従う)と異常光線とに分け,その一方を取り出す.結晶としては方解石がもっとも多く用いられる.目的により硝酸ナトリウムの結晶も利用される.多くの偏光プリズムは,二つの複屈折性プリズムの間に等方性物質の薄層をはさんだ構造になっている.等方性物質は適当な屈折率を有し,透明であることを要し,二つのプリズムを接着する役目もする.カナダバルサムがよく用いられるが,この屈折率は1.55で方解石の二つの屈折率の中間にある.カナダバルサムは330 nm 以下の光を通さないが,この波長以下で使用するときは,尿素樹脂のブチルアルコール溶液(屈折率,約1.52)を使ったり,空気薄層を利用するなどの工夫が行われる.偏光プリズムとしてはニコルのプリズムが有名であり,偏光子の代名詞のように使われてきたが,いまではあまり実用されていない.可視部領域に対してはアーレンスプリズム,ロションプリズム,紫外領域に対してはグラントンプソンプリズムがよく用いられる.このほかウォラストンプリズム,グラン-フーコープリズムなどが知られている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偏光プリズム」の意味・わかりやすい解説

偏光プリズム
へんこうプリズム
polarizing prism

ニコルのプリズムなどのように,自然光を入射させると透過した光は完全偏光になるようなプリズムをいう。ほかにロションプリズム,ウォラストンプリズム (→偏光複像プリズム ) などがある。偏光を検出する検光器としても使える。

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百科事典マイペディア 「偏光プリズム」の意味・わかりやすい解説

偏光プリズム【へんこうプリズム】

複屈折性の結晶を組み合わせて偏光を生じさせたり,偏光を検知するプリズム。自然光から決まった直線偏光を取り出すニコルプリズム等がある。

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