偽花(読み)ギカ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「偽花」の意味・わかりやすい解説

偽花
ぎか

真正の花のほか包葉などが加わったり、いくつかの花が集まったりして1個の花のようにみえるもの。たとえばブーゲンビレアでは、目だたない花が色づいた大きな3枚の包葉に囲まれて全体が1個の花にみえる。また、ヒマワリのようなキク科植物では、頭状花序全体が1個の花に、総包葉が萼(がく)に、周囲舌状花花弁にみえる。トウダイグサ属の杯状花序、イネ科カヤツリグサ科の小穂(しょうすい)も偽花の一種である。

[田村道夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偽花」の意味・わかりやすい解説

偽花
ぎか
pseudanthium

多数の花の集合,すなわち花序が全体として1個の花のようにみえるもの。トウダイグサの杯状花 (花序) では,花軸と包葉から成る壺状の構造の中に,退化した雄花雌花が集る。キク科では,舌状花と管状花,あるいは管状花のみが集合して,偽花となっている。

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