ブーゲンビレア(読み)ぶーげんびれあ

デジタル大辞泉 「ブーゲンビレア」の意味・読み・例文・類語

ブーゲンビレア(〈ラテン〉Bougainvillea)

オシロイバナ科低木。葉は卵形。赤紫色などの3枚のほうをもつ黄白色の小花が咲く。ブラジル原産で、観賞用。ブーゲンビリア

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精選版 日本国語大辞典 「ブーゲンビレア」の意味・読み・例文・類語

ブーゲンビレア

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] bougainvillea )[ 異表記 ] ブーゲンビリア オシロイバナ科のつる性低木。南アメリカ原産で、観賞用に温室などで栽培され、テリハイカダカズライカダカズラなどの野生種の他に多くの園芸品種がある。茎はとげをもち長くのび、葉は卵形または楕円状披針形で細い柄がある。枝先に三枚の苞葉に包まれた黄白の小花が咲く。苞葉は紅紫・深紅・紫白などの鮮やかな色彩をもつ。
    1. [初出の実例]「ブウガンビリアの花の茂み」(出典:あらまんだ(1946)〈阿部知二〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブーゲンビレア」の意味・わかりやすい解説

ブーゲンビレア
ぶーげんびれあ
[学] Bougainvillea

オシロイバナ科(APG分類:オシロイバナ科)の不耐冬性低木または半つる性低木。葉腋(ようえき)につける花房に、白色の小花を包むように3枚の包葉があり、紫桃、紫紅、桃、橙(だいだい)、白色などを呈して美しい。花のつかない葉腋には、鋭い刺(とげ)がつく。南アメリカ原産。よく栽培されるイカダカズラB. spectabilis Willd.は葉は丸みを帯びてやや大きく、包葉も先端に丸みがあり、やや大きい。ミセスバットやサンディエゴなど大輪品種がある。また、テリハイカダカズラB. glabra Choisy.は茎はやや細く、葉は小形で照り葉、包葉は三角形でとがり、やや小さい。包葉数の多い八重咲き品種や、葉に白い斑(ふ)の入る品種(バリエガータ)もある。

 熱帯、亜熱帯地方ではグランドカバー、フェンス、スタンダード仕立ての庭木など広く戸外で観賞されるが、温帯地方では花木鉢物として、2月から6月ころまで利用される。繁殖は挿木によるが、品種によっては発根しにくいものがあるので、挿すときに発根ホルモンを切り口にまぶすとよい。鉢植え用土は赤土に腐葉土を30%くらい混ぜた水はけのよいものを用いる。茎は、そのままだと1本で伸びるので、ときおり枝先を切って株元から多数の枝が出るようにする。8~9月はやや乾きぎみを保ち、矮化(わいか)剤を散布すると、よく開花する。栽培には十分日に当てることが必要である。生育適温は20~25℃。5℃以上で越冬する。

[鶴島久男 2021年2月17日]

文化史

1766年、フランスのルイ15世は南半球の未知の大陸の発見のために2隻の艦船を派遣したが、それに同行していた植物学者のコメルソン(コマーソンPhilibert Commerson、1727―1773)は途中リオ・デ・ジャネイロで新しい花木をみいだし、艦長ブーゲンビル中佐L. A. de Bougainvilleに献上し、ブーゲンビレア属の名をたてた。ブラジルでは当時すでに栽培下にあり、植物学者ベローゾJose M. da C. Vellosoはジョセファ属Josephaを設けていたが、出版が遅れ、コメルソンに先を越された。

[湯浅浩史 2021年2月17日]


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改訂新版 世界大百科事典 「ブーゲンビレア」の意味・わかりやすい解説

ブーゲンビレア
Bougainvillea

南アメリカに10種あまりあるオシロイバナ科のつる性常緑木本植物。熱帯地方で広く栽培されている。紫色,赤色,橙色,黄色,白色などの花(実際は花序の苞葉)が樹上一面に咲き乱れるさまは壮観である。温室でもよく作られており,最近は,夏の鉢物花木として多く利用されるようになった。熱帯では生垣,刈込み作り,壁面作り,また棚作りなどにも利用される。幹はややつる状をなし,他のものに絡みついてよじのぼり,高いものでは十数mにも達する。葉は卵形または楕円状披針形で,互生してつく。葉腋(ようえき)から出る花序には花弁のように見える3枚の大きな苞葉があり,その内側に筒状で見ばえのしない小さな花が2~3個つく。苞葉は開花後も長く残り,美しい。

 ブーゲンビレアは原種のイカダカズラB.spectabilis Willd.,テリハイカダカズラB.glabra Choisy,それにB.perviana Humb.et Bonpl.などとの種間交配によって育成されたものの総称で,多数の園芸品種があり,最近では前記の原種とともに,交配品種B. × buttiana Holttumed Standleyも多く栽培されるようになった。なかでも交配品種のミセス・バットMrs.Buttは苞葉が深紅色で大きく,花も多くつき,樹勢も強いので広く栽培される。イカダカズラは生育が旺盛でよく伸び,枝に多数の先の曲がったとげがあり,葉は大きくて厚く綿毛がある。苞葉は大きく深桃色。テリハイカダカズラは葉などにほとんど毛がなく,苞葉の色は赤色または紫色で,次々に開花する性質があり,栽培品種も多い。変種のサンデリアーナvar.sanderianaの苞葉はすみれ色で花つきがよく,寒さにも比較的に強く,作りやすい。鉢物に適する。新梢の充実したものを挿木して繁殖する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブーゲンビレア」の意味・わかりやすい解説

ブーゲンビレア
Bougainvillea spectabilis; bougainvillea

オシロイバナ科のつる性の低木で,ときには高木になる。ブラジル原産で観賞用として広く熱帯地方で栽培され,生垣や日陰棚につくられる。また温室植物としても世界中に広く普及している。上部の葉腋から短い枝を出し,その先端に 3枚の花弁状の包葉をつけ,黄白色で管状の小花をいだいている。包葉は淡紅色,濃紅色,紫紅色などで美しく,1ヵ月以上ももち,気温さえ十分であれば年中開花する。葉には毛があり互生し,枝にはとげを生じる。名称はフランスの航海者,軍人のルイ=アントアーヌ・ド・ブーゲンビルにちなむ。イカダカズラの和名もある。

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