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先天性代謝異常 せんてんせいたいしゃいじょう

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大辞林 第三版の解説

せんてんせいたいしゃいじょう【先天性代謝異常】

遺伝子の異常によって物質交代の過程に障害が起こって発症する病気。フェニルケトン尿症など。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

せんてんせいたいしゃいじょう【先天性代謝異常 inborn errors of metabolism】

遺伝子の異常によって先天的に生体内の物質代謝過程のどこかに障害(酵素障害が多い)が生じ,なんらかの代謝異常状態による臨床症状を示す疾患をいう。
先天性代謝異常の歴史]
 先天性代謝異常の概念は1908年イギリスの内科医ギャロッドA.Garrodによって提唱された。彼は,尿中に異常物質の排出が増加するシスチン尿症,アルカプトン尿症,五炭糖尿症と白皮症の4疾患をあげ,家族内発生が多いこと,尿中異常物質増加が終生変化しないことから特定の代謝過程の先天性(遺伝的)欠陥であろうと考えたのである。

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All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

先天性代謝異常
せんてんせいたいしゃいじょう

酵素(あるいはタンパク質)が先天的に異常を生じておこる遺伝性疾患で、酵素は生体内でおこる物質代謝に大きな影響をもち、遺伝子によって支配されているので、遺伝子疾患ともよばれる。
 酵素はさらに糖質、脂質、アミノ酸、ムコ多糖、糖タンパク、核酸などの産生、分解、吸収、排泄(はいせつ)に関連し、その種類も非常に多い。したがって、それぞれの酵素異常がそれに関連する代謝異常を引き起こし、数多くの先天性代謝異常を発生させるわけである。生化学の進歩に伴い、従来不明であった代謝異常が解明されてきた部分が非常に多い。アミノ酸の代謝異常だけでも約70種にも及ぶ。
 症状としては、特徴のある顔つきや毛髪の異常など、特別な症状もあるが、一般には発育障害、知能障害、けいれん、嘔吐(おうと)など、ありふれたものが多く、症状からすぐに診断することは困難である。検査法としては、比較的簡単なものから精度の高いものまであるが、疑わしい場合は迷わず検査すべきである。
 先天性代謝異常は種類も多く、いったん診断されてもほとんどが治療不可能な場合が多い。したがって、小児難病に含まれている。しかし、なかには、早期に発見すれば栄養治療や特殊な薬剤によって病状の進行を止めることができる疾患もあり、発症前の早期診断が重要視されてきている。このため現在では、新生児について6種類の先天性代謝異常(フェニルケトン尿症、ガラクトース血症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、クレチン症、先天性副腎過形成症)のマス・スクリーニングが行われており、実績をあげている。これは、新生児の足の裏をランセットで刺し、2、3滴の血液を濾紙(ろし)上に採取して検査する方法で、一枚の濾紙上の血液から何種類かの先天性代謝異常をスクリーニングすることができる。[山口規容子]

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世界大百科事典内の先天性代謝異常の言及

【遺伝病】より

…(b)常染色体性劣性遺伝病 病気は患者の兄弟にのみ出現し,両親,子ども,その他の近親者には出現しない,患者兄弟の約1/4が罹患する,患者の両親が近親婚のことが多い,性差がないなどを特徴とする。フェニルケトン尿症,ガラクトース血症,クラベ病などの先天性代謝異常,小頭症,白子,網膜色素変性の一部などがこれにあたる。(c)伴性(X連鎖)劣性遺伝病 患者は男性に圧倒的に多い,男性患者の娘はすべて保因者となり,その娘から生まれた男児の約半数が患者になる,保因者である娘はその遺伝子をもってはいるが発病しない,男性患者の息子が患者になることはないなどを特徴とする。…

【精神遅滞】より

…染色体異常による精神遅滞には,常染色体異常によるダウン症候群,性染色体異常によるクラインフェルター症候群ターナー症候群がある。先天性代謝異常による精神遅滞には多くの疾患が知られているが,代表的なものとしては,タンパク質代謝異常によるフェニルケトン尿症,糖質代謝異常によるガルゴイリズム,脂質代謝異常によるニーマン=ピック病,ゴーシェ病,黒内障性白痴などがある。内分泌障害には甲状腺機能低下によるクレチン病,下垂体機能低下によるローレンス=ムーン=ビードル症や小人症があり,母斑症には結節性硬化症やレックリングハウゼン病がある。…

【羊水診断】より

…羊水穿刺(せんし)によって得た少量の羊水を用いて検索するので羊水診断と呼ばれる。Rh血液型不適合による胎児赤芽球症(新生児重症黄疸)の診断に羊水中のビリルビン測定が役立つことが認められたことに端を発し,1960年代に染色体異常,先天性代謝異常の診断が試みられ,臨床的に応用されることになった。羊水診断法のほか胎児についての情報は超音波,X線,心電図などの物理学的方法によっても得ることができ,これらを胎児モニターという。…

※「先天性代謝異常」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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