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遺伝相談 イデンソウダン

4件 の用語解説(遺伝相談の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

いでん‐そうだん〔ヰデンサウダン〕【遺伝相談】

遺伝性の疾患や染色体異常について、リスク・診断・病態・治療法などを、専門知識をもった医師やカウンセラーと相談すること。妊娠している人や妊娠を希望している人などが対象となる。

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家庭医学館の解説

いでんそうだん【遺伝相談】

 遺伝相談は、遺伝性疾患の発現について心配をもつクライアント(相談に訪れた患者さんや家族の総称)に必要な情報を与え、子どもを産んだり結婚をする場合に不幸なことにならないよう、側面から援助することを目的に行なわれています。
 相談所では、クライアントやその家族を助けるための専門家たちによる診断、病因の検索、家系分析、危険率の推定、リスクへの対処法の工夫などが行なわれています。
 遺伝相談の基本姿勢は、「生活や生殖において遺伝的に不利な立場にある人たちを、できるだけふつうに、かつ責任をもって支援する」ことです。
◎遺伝相談で取り扱うことがら
 遺伝相談の場でカウンセラーにもちこまれるおもな問題をまとめると、つぎのようになります。
(1)先天異常のある人について、①遺伝性の有無とその診断、②治療の有無と予後、③遺伝性がある場合、その同胞再現率(近親者に発現する割合)と、次世代に同一の異常が現われる可能性とその予防法について。
(2)保因者(ほいんしゃ)である可能性のある人について、①保因者か否かの判定、②保因者である場合は、その近親者に発現する可能性とその予防策。
(3)近親婚の問題
(4)妊娠中の健康管理、胎芽(たいが)・胎児(たいじ)に悪影響をおよぼすおそれのあるできごと(感染、放射線被曝(ひばく)、薬品服用など)があった場合の危険性とその対策。
(5)親子鑑定
◎遺伝相談の場で行なわれる診断
●保因者診断
 保因者とは、表現型(からだへの現われ方、見た目)には異常がなく、健常者とほとんど変わらないが、病的遺伝子劣性遺伝ヘテロ)や相互転座染色体をもつ個体(人)のことです。
 保因者発見の意義は、遺伝性疾患の早期発見・早期予防にあります。保因者診断には、生化学的検査、染色体検査、病理学検査、DNA診断などの分子生物学的検査が行なわれます。
出生前診断
 遺伝性疾患や各種先天奇形などの診断を、出生前に行なうのが出生前診断です。染色体異常遺伝子病の診断は妊娠の比較的早期に、形態異常の多くは妊娠中期から後期にかけて画像分析を中心に行なわれますが、すべての先天奇形を包括しているわけではありません。出生前診断の実施にあたっては、倫理的側面にも十分配慮すべきことはいうまでもありません。
◎遺伝相談で配慮されるべきことがら
 遺伝相談の場で配慮されなければならないことがらは、つぎのとおりです。
(1)患者さんとその家族への敬意
(2)家族の「絆(きずな)」の保持
(3)相談者の健康にかかわるすべての情報の提供(たとえ不利な情報でも)
(4)相談者のプライバシーの保護
(5)親族内にいるハイリスクの人への対応と配慮
(6)カウンセラーの指示的助言の回避

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世界大百科事典 第2版の解説

いでんそうだん【遺伝相談 genetic counselling】

結婚や妊娠・出産に際して遺伝病や先天異常について相談に応じたり説明すること。これらの問題に対して具体的な心配を抱いている人は少なくない。たとえば,いとこどうしで結婚しようとする場合や,おじ,めいなど近親者に先天異常患者がいる場合,あるいはすでに出産した子どもに先天異常があった場合などである。このような問題をもった個人または個々の家族に対し,訓練を受けた臨床遺伝学の専門の医師が,その専門的知識を背景として,遺伝病や先天異常の起こりうる可能性(その結婚,妊娠によって出産する児の何%くらいが問題の疾患に罹患しうるかなど)を説明し,相談に応じている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遺伝相談
いでんそうだん

遺伝病にかかわる問題で不安や悩みをもつ人に対し、人類遺伝学の専門家が、妥当な結婚、出産、中絶などの正しい判断ができるように、適切な遺伝学的情報を提供し、助言を与える対話過程をいう。遺伝相談のポイントは遺伝的危険率の推定であるが、これだけでは来談者は正しい判断をしかねるので、当該遺伝病の病像や予後をはじめ、本人や家族が将来にわたって受けるであろう心身両面からの苦痛や経済的負担などについても説明される。また、遺伝相談は遺伝病の予防にもつながり、適切な遺伝相談を行うためには各専門分野の総合的協力が必要で、遺伝病医療の一環として位置づけられる。すなわち、遺伝病の正確な診断をはじめ、遺伝子の数、性質、染色体の位置などを決定する遺伝学的分析も必要である。さらに、相談後のフォローアップとして、その後に予想される出生前診断や患児出産に伴う早期医療への措置、福祉面の対応を円滑に行う準備なども必要となる。来談者側に対しても、家系全員の責任と協力が要請される。いずれにしても、遺伝の専門家は助言を与えるだけであり、最終的には当事者が決めることになる。なお、相談を受けるときは、両親や一族を列記した家系図と遺伝病の有無を書き込んだメモを持参する。[新井正夫]
『田中克己著『遺伝相談』(講談社・ブルーバックス) ▽日暮眞著『遺伝相談』(金原出版・新臨床医学文庫)』

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世界大百科事典内の遺伝相談の言及

【先天性代謝異常】より

…近年発展した診断法にヘテロ保因者診断法と新生児マススクリーニング法がある。前者は,劣性遺伝子の保因者を検出するもので,優生学的見地から重要であり,羊水診断法とともに遺伝相談に活用されるが,まだ診断可能な疾患が少ないことが難点である。後者は,早期診断・早期治療開始の原則に沿って新生児の血液をろ紙に採取し,有効な治療法の確立している数疾患を集団的に診断する方法である。…

【羊水診断】より

…したがって,それらが羊水診断の可能な疾患である場合には,胎児の状態について正確な情報を得ることができる意義は多大である。遺伝相談を行ううえで重要な武器となっている。【中村 了正】。…

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