六訂版 家庭医学大全科 の解説
先天性心臓病の子どもの予防接種
(循環器の病気)
一般に、先天性心疾患であるから予防接種をすることができないと考えるのが正しくありません。むしろ心臓と肺に負担がかかっていて、原疾患にかかる負担に加えて感染症に罹患した場合の負担が重症化することを考慮すれば、先天性心疾患のない子どもにも増して、感染症に罹患することを予防したり、症状を軽くしてあげる必要性があるといえるでしょう。
とくに先天性心疾患と関係して、免疫力(感染に対する体の抵抗力)にいくらか影響がある疾患が知られています。
まず
肺炎球菌に対する予防接種は、現在日本で可能なものとしてはニューモバックスがありますが、これは2歳未満の子どもに対しては禁忌とされています。では2歳未満の子どもの予防はどうすればいいかというと、現在のところ日本で許可されている予防接種はないのが実状です。小児循環器の医師が中心になって、2歳未満の子どもにも使える予防接種の認可を厚生労働省にはたらきかけているところです。
もうひとつの疾患は「22q 11欠失症候群」です。「CATCH22症候群」と呼んだ時期もありましたが、現在では「22q 11欠失症候群」と呼びます。ファロー
22q 11欠失症候群の一部には、生まれつき胸腺のないディジョージ症候群が含まれています。ディジョージ症候群では、
22q 11欠失症候群のすべての患者さんに発症するわけではないので過剰に心配する必要はありませんが、頻繁に
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報