入れ子(読み)イレコ

デジタル大辞泉 「入れ子」の意味・読み・例文・類語

いれ‐こ【入れ子/入れ籠】

同形で大きさの異なる器物を順に組み入れるように作ったもの。重箱や杯など。「―の箱」
1を比喩として》外部に現れない事情。「―のある話」
(入れ子)自分の子が死んだために、他人の子を養子に迎えて育てること。また、その子。養子。
櫓杭ろぐいを差し込むためににあけた穴。
[類語]重箱お重組み重重ね重わりご

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精選版 日本国語大辞典 「入れ子」の意味・読み・例文・類語

いれ‐こ【入子・入籠】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 同形で大きさの異なるもの数個を組み合わせ、大小の順に中へ入れるように作った器物、特に箱。また、そのような仕組み。盃、鍋、重箱などにある。
    1. [初出の実例]「塗師持入子曲鉢来」(出典蔭凉軒日録‐延徳二年(1490)正月五日)
    2. 「大い金火鉢を入れこにして来た盥の底が抜けかけて居る」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉三)
  3. 転じて、外に現われない事情が内部にかくされていること。「いれこのある話」
  4. 櫓杭(ろぐい)の頭を差しこむために、櫓にほられた孔。
    1. [初出の実例]「Ireco(イレコ)〈訳〉日本の櫓にある、櫓杭のはいる孔」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  5. いれこくび(入子首)」の略。
    1. [初出の実例]「甲を拾ひ得ては、首に甲をきせ、甲付の首と記されしも有て、いれこの某と、うしろ指をさされ侍りしも有しとなり」(出典:太閤記(1625)一二)
  6. いれこぶね(入子船)」の略。
  7. ( 入子 ) 死んだ子のかわりに、他人の子をもらって育てること。また、その子。
    1. [初出の実例]「わしが産んだは女の子、産れ落ちると直ぐに失ひ、〈略〉お袖が産みやった男の子、わしが産所へ直ぐに入れ子に」(出典:歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)序幕返し)
  8. ( 入子 ) 魚が卵を持っていること。また、その卵。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「入れ子」の解説

入れ子

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