全国学力テスト(読み)ゼンコクガクリョクテスト

共同通信ニュース用語解説 「全国学力テスト」の解説

全国学力テスト

児童生徒の学力を把握して学校現場の指導改善につなげることを目的とし、2007年度に始まった。対象は小学6年と中学3年。当初国語算数数学の2教科だったが、12年度に理科、19年度に中学英語が加わった。理科と英語はおおむね3年に1度の頻度で行われる。国語と算数・数学は基礎知識と活用力を別々の試験で測っていたのを19年度から変更し、一体的に問う出題形式になった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「全国学力テスト」の意味・わかりやすい解説

全国学力テスト
ぜんこくがくりょくてすと

文部科学省が全国の小学6年生と中学3年生全員を対象に実施する学力調査正称は「全国学力・学習状況調査」。「ゆとり教育」の導入後、低下批判が出た小・中学生の学力水準を把握・分析し、文教政策や授業・指導方法に生かす目的で、2007年(平成19)に再開した。実施は4月で、教科は国語と算数・数学を毎年、理科(2012年開始)と英語(2019年開始、中学3年生のみ)を3年に一度行う。国語、算数・数学には基本問題(A問題)と思考力をみる応用問題(B問題)がある。英語の問題は「聞く」「読む」「書く」「話す」力をみる。調査結果(成績)は参加した全児童・生徒に通知するほか、自治体の判断で市町村別や学校別の成績を公表できる。小・中学生の正答率とともに、早起きや1日のゲームで遊ぶ時間など学習環境や生活習慣もチェックする。2018年は国・公・私立学校の全児童・生徒約213万人が参加した。

 全国一斉の学力テストは1960年代にあったが、市区町村や学校間の競争序列化をあおるとの批判を受け、1966年(昭和41)旭川地方裁判所が「国による学力調査は違法」との判決を出して以降、中止していた。しかし多くの自治体が独自に学力テストを実施。2004年当時の文部科学大臣中山成彬(なりあき)(1943― )が全国学力テストの再開を打ち出した。第1回の2007年の学力テストは原則全校参加であったが、愛知県犬山市が不参加を決め、私立校の参加も6割にとどまった。民主党連立政権ができた2010年からは、すべての学校で実施する全数調査方式を改め、全体の3割の小・中学校を調べる標本調査に切り替えたが、自公連立政権の発足で2013年から全数調査方式に戻った。2015年には、調査結果の高校入学試験への使用禁止が決まった。このため大阪府は2015年から独自の中学生向け学力テストを始めたほか、全国学力テストにあわせ、独自に他教科や他学年で学力テストを実施する自治体もある。なお2011年は東日本大震災の影響で中止となり、2016年は熊本地震で熊本県全校と大分・宮崎県の一部が一斉実施日のテストを見送った。

[矢野 武 2019年7月19日]

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知恵蔵 「全国学力テスト」の解説

全国学力テスト

全国学力調査」のページをご覧ください。

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