TFP。経済成長を供給面から分析すると、労働と資本という通常の生産要素と、それらの要素でははかれない技術革新などの要因があるが、後者のことをいう。1994年(平成6)版の経済白書によると、66―90年の実質5.5%成長(年率)の寄与率をみると、資本2.3%、労働0.4%に対してTFPは2.7%ともっとも高い。外国の例をみても、TFPに影響を与える技術革新の動向が潜在成長率を左右している。これから日本が迎える高齢化時代でも、経済成長を支えるものとしてTFPの寄与が期待されている。
[三条 彰]
2007年版の経済財政白書も、日本の生産年齢人口の割合はピークをすぎて下降に入っているため、経済成長率を維持するためには労働生産性の向上が重要である、としている。しかし白書は「1990年以降は、労働生産性上昇に対するTFPの伸びの寄与は大幅に低下した」とみている。OECDのデータによると、日本のTFP平均上昇率は1986―90年には2.16%であったが、1991―95年はマイナス0.16%、1996―2000年は0.53%と、バブル経済崩壊後の調整過程でTFPの上昇率は低下している。なかでも非製造業のTFP上昇率が低く、2000―2005年で製造業のTFPが2.4%上昇したのに対し、非製造業は0.7%にすぎない。そのため、TFPを上昇させるには、IT(情報技術)の有効活用をはじめとしたイノベーション(技術革新)の促進が重要であると、白書は指摘している。
[編集部]
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