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正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」という。1972年11月ユネスコ(国連教育科学文化機関)の総会で採択され、1975年12月に発効した国際条約で、科学的な方法によって世界文化遺産と世界自然遺産を永久に保護する体制の確立を目的としている。なお、世界遺産は、文化遺産、自然遺産と、両方の要素を兼ね備える複合遺産とに分類される。締約国は自国の遺産を同条約の世界遺産リストに登録する義務があり、登録後の保存にはユネスコに設けられた世界遺産基金から援助が受けられる。2019年7月時点の締約国は193か国、登録遺産は1121件、うち日本は23件に達している。日本は1992年(平成4)9月に発効し、1993年に「法隆寺地域の仏教建造物」(奈良県)、「姫路城」(兵庫県)が世界文化遺産として、また世界自然遺産としては「屋久島(やくしま)」(鹿児島県)、「白神(しらかみ)山地」(青森県、秋田県)が登録されたのが最初である。
[編集部 2020年11月13日]
(杉本裕明 朝日新聞記者 / 2007年)
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