公式組織非公式組織(読み)こうしきそしきひこうしきそしき(その他表記)formal organization,informal organization

改訂新版 世界大百科事典 「公式組織非公式組織」の意味・わかりやすい解説

公式組織・非公式組織 (こうしきそしきひこうしきそしき)
formal organization,informal organization

公式組織フォーマル・オーガニゼーション)とは,一定の目的を達成するために意識的,人為的に形成された組織のことであり,C.I.バーナードは〈意識的に調整された人間の活動や諸力の体系〉と定義している。通常,〈組織〉といえば,これを指していう。これに対して,非公式組織インフォーマル・オーガニゼーション)とは,個人間の接触相互作用を通して自然発生的に形成されるもので,意識的な構造や制度をもたない社会的結合を意味する。この非公式組織は,アメリカのウェスタン・エレクトリック社ホーソーン工場で1924-32年,レスリスバーガーFritz Jules Roethlisberger(1898-1974)らを中心に行われた,職場能率に関する研究(ホーソーン実験)で,作業能率や生産性を高める要因として,その存在が発見されたものである。公式組織との関連でそれをとりあげたのはバーナードである。彼は,非公式組織は公式組織に対してマイナスに作用することもあるが,プラス効果をももつとし,とくに後者側面を積極的にとりあげている。非公式組織の,公式組織における機能としては以下のものがあげられる。第1は,公式組織のコミュニケーション機能の促進である。これは個人的接触を基礎にする非公式組織においては共通感覚理解が存在するからである。第2に,個人的接触や相互作用を通じて非公式組織は,各個人に,心情的なつながりや社会的結合の魅力誘因として提供することによって,公式組織の凝集力を高める作用をする。第3に,非公式組織は〈意識的に調整された〉活動の体系ではないので,そのことが各個人の人格性や自立性の発揮の場にもなる。以上の効果は管理組織のレベルにおいても期待できる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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