六大(読み)ろくだい

日本大百科全書(ニッポニカ)「六大」の解説

六大
ろくだい

地・水・火・風・空・識の六つの普遍的な存在。真言(しんごん)宗で説く万物の根源体。普通、仏教では万物の根源体とか創造主とかを説かず、無実体性とか空とかを真理と説く。しかし真言宗ではこの六大を万物の根源体であり、仏も衆生(しゅじょう)もその体性(たいしょう)は本来同一であるとする。ただし仏はこれを悟り、衆生はこれを悟らない。それゆえ、六大とは密号名字であるという。この六大は

とか、方・円・三角・半月・団形・雑形(ぞうぎょう)とかの種子(しゅじ)や形、色などで表示されるが、これらの区別は固定的ではなく、互いに相応しかかわり合っている(『六大無礙常瑜伽(むげじょうゆが)』)。この六大の形相面が4種曼荼羅(まんだら)、働きが三密(身・語・意)であり、空海『即身成仏義(そくしんじょうぶつぎ)』に詳しい。

[吉田宏晢]

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精選版 日本国語大辞典「六大」の解説

ろく‐だい【六大】

〘名〙 仏語。宇宙の万象を形づくるとされる六種の根本要素。地・水・火・風・空・識をいう。密教では、法界に遍満していて一切のより所となる宇宙の主体として具体的実在であるとし、これによって大日如来象徴する。六界。〔即身成仏義(823‐824頃)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「六大」の解説

六大
ろくだい

仏教用語。生きとし生けるものを構成する6種の要素。すなわち地,水,火,風,空,識をいう。また真言密教では,この6種の構成要素をすべての存在の本体と考え,それぞれに象徴的な字音や色彩などをあてその教理を展開している。 (→五大 )

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デジタル大辞泉「六大」の解説

ろく‐だい【六大】

仏語。万物の構成要素とされる、地・水・火・風・空・識の六種。真言密教ではこれを万有の本体とし、大日如来の象徴とする。六界ろっかい

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世界大百科事典内の六大の言及

【四大】より

…人間の身体も四大または五大より成っているので,肉体のことを四大とも五大ともいう。また密教では認識作用の〈識大(しきだい)〉を加えて〈六大〉とし,一切万有・全宇宙の構成要素とする。【井ノ口 泰淳】
[西洋]
 西洋では四大とは,〈四大元素four elements〉すなわち土,水,火,空気を指す。…

【六界】より

…(1)宇宙の森羅万象を構成する六つの要素,すなわち地界,水界,火界,風界,空界,識界を六界といい,前5界は物質的要素,識界は精神的要素である。これらの6要素はあらゆる事物を構成するものであるから,〈六種の大なるもの〉すなわち六大(ろくだい)ともいわれ,むしろこの六大の方が術語としては広く用いられている。密教の〈六大縁起〉説は万有のあり方をすべて六大によって説明しようとするものである。…

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