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内部統制 ないぶとうせい

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ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

内部統制

企業が自発的に組織を統制するシステムのこと。米国ではエンロン事件以降、内部統制を積極的に行なうよう、国が要請するようになった。具体的な措置に、米国トレッドウェイ委員会組織委員会(通称COSO)による内部統制ガイドラインがある。また、企業のコンプライアンスを規定に盛り込んだサーベンスオックスレー法もその一環である。米国で始まった企業の内部統制への要請は各国に拡大した。カナダでは勅許会計士協会の統制基準委員会がCOCO(内部統制ガイドライン)を公表した。さらに、イギリスがターンバルレポートを公表し、内部統制のフレームワークに関する指針が各国・各分野で公表されるようになった。そのような流れをうけ、日本でも、2006年から新会社法に内部統制に関する規定が盛り込まれた。新会社法では取締役取締役会による内部統制システムの構築の義務化、定款自治の拡大による内部統制の強化など、内部統制に関係する規定が多く盛り込まれている。

出典|ASCII.jpデジタル用語辞典
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

内部統制

企業情報を決算書に正確に反映させるため、経営者や監査役による監視機能やリスク評価の体制などを整備すること。事前に文書化し、外部監査を義務づけるので、不正が発覚した時、経営者は自らの責任を「言い逃れ」できなくなる。米国ではエンロンの不正会計事件をきっかけに制定された企業改革法で義務化された。日本では金融庁がルール作りを進め、08年3月期をめどに導入される見通し

(2006-02-23 朝日新聞 朝刊 1経済)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

ないぶ‐とうせい【内部統制】

企業や行政機関などにおいて、業務が適正かつ効率的に遂行されるように組織を統制するための仕組み。組織内で不正・違法行為・ミスの発生を防止し、組織が有効に運営されるように、業務に関する規則・基準・プロセスを規定・運用するとともに、内部統制やリスクの評価を継続的に行うことなどにより確立される。情報システムの構築などITへの対応も求められる。1990年代に米国で内部統制の重要性が提唱されるようになり、主として投資家保護のため財務報告の適正化を目指して法制化された。日本では、会社法金融商品取引法などに幅広く規定されている。→コンプライアンスコーポレートガバナンス

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株式公開用語辞典の解説

内部統制

内部統制とは、金融庁発表の資料では次のように定義されている。
内部統制とは、基本的に、(1)に掲げる一定の目的の達成のために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいう。 内部統制は、(2)に掲げる基本的要素から構成される。
(1)目的:
①業務の有効性及び効率性 事業活動の目的の達成のため、業務の有効性及び効率性を高めること
財務報告の信頼性 財務諸表及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を 確保すること
③事業活動に関わる法令等の遵守事業活動に関わる法令その他の規範の遵守を促進すること
④資産の保全 資産の取得、使用及び処分が正当な手続及び承認のもとに行われるよう、資産の保全を図ること
(2)基本的要素:
①統制環境 統制環境とは、組織の気風を決定し、組織内のすべての者の統制に対する意 識に影響を与えるとともに、他の基本的要素の基礎となるものをいう。 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(公開草案)
②リスクの評価と対応 リスクの評価と対応とは、組織の目標の達成に影響を与えるすべてのリスクを識別、分析及び評価すること によって、当該リスクへの対応を行う一連のプ ロセスをいう。
③統制活動 統制活動とは、経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するた めに定める方針及び手続をいう。
④情報と伝達 情報と伝達とは、必要な情報が組織や関係者相互間に、適切に伝えられるこ とを確保することをいう。
モニタリング(監視活動) モニタリング(監視活動)とは、内部統制の有効性を継続的に監視及び評価 するプロセスをいう。
⑥IT(情報技術)の利用 IT(情報技術)の利用とは、内部統制の他の基本的要素が有効かつ効率的に機能するために、業務に組み込まれている一連のITを活用することをいう。

出典|株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント
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会計用語キーワード辞典の解説

内部統制

内部統制とは、企業の3つの目的である企業の有効性と効率性、財務報告の信頼性、関係法規の遵守を達成することを合理的に保証することを意図したプロセスです。取締役や経営者、及び従業員によって行われます。内部統制は5つの要素から構成されています。1.統制環境  2.リスク管理  3.統制活動  4.情報と伝達  5.モニタリング

出典|(株)シクミカ:運営「会計用語キーワード辞典」
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M&A用語集の解説

内部統制

基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。(金融庁企業会計審議会内部統制部会 定義)上場企業等においては、金融商品取引法24条の4の4に基づき、財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして、事業年度ごとに公認会計士または監査法人の監査証明を受けた内部統制報告書内閣総理大臣に提出することが義務付けられている。

出典|株式会社ストライク
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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

内部統制

企業の会計処理業務が適正に行われている状態を確保するための一連のプロセスのこと。 2006年に施行された新会社法、2007年に施行された金融商品取引法(日本版SOX法)の双方でその義務について言及されている。

出典|ナビゲート
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

内部統制
ないぶとうせい
internal control

企業が事業目的の達成のため、組織を整備・運用すること。具体的には、業務の有効性および効率性、財務報告の信頼性、事業活動にかかわる法令等の遵守ならびに資産の保全の四つの目的が達成されるように業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいう(2005年に企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」より)。
 内部統制が必要とされる背景には、規制緩和が進み自己責任に基づく経営へと社会的枠組みが変わったこと、急速な経済変化や技術進歩、事業の国際化などにより企業を取り巻くリスクが増大、多様化したこと、終身雇用の終焉(しゅうえん)や雇用の流動化が進み、従業員間の暗黙の了解や信頼関係に依存した経営管理のあり方に限界が生じてきたことなどがあげられる。[中村義人]

アメリカにおける内部統制

日本の内部統制の制定は、アメリカの規制から大きく影響を受けている。アメリカにおいては、1980年代、不安定な経済状況のなかで、多くの企業における違法支出や粉飾決算等の不祥事が問題となった。そのため、1987年10月に会計5団体(アメリカ公認会計士協会=AICPA、アメリカ会計学会=AAA、内部監査人協会=IIA、管理会計士協会=IMA、財務担当経営者協会=FEI)からなるトレッドウェイ委員会支援組織委員会The Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission(略称COSO)が発足し、トップ・マネジメントは、不正な財務報告を防止または摘発することの重要性を認識し、財務報告に関する総合的な統制環境を確立することが必要であると指摘した報告書を公表し、その後1992年「内部統制の統合的枠組み」(COSO報告書)を公表した。
 COSO報告書において、内部統制は業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、関連法規の遵守の三つからなることが明確にされた。これは今日の日本の内部統制制度の基となった。内部統制は企業の事業活動のすべてについて導入すべきシステムであり、計画・実行・評価というプロセスに従って実施されなければならない。さらに内部統制は業務とは別な組織ではなく、業務につけ加えられるものでもなく、業務そのものに組み込まれるものであり、事業体の目的達成に直接影響を与えるものである。すなわち、内部統制は経営の質ということができ、経営目標の達成のためには内部統制という高い質の経営をもつことが必要となる。
 しかし、その後アメリカにおいては、2001年から2002年にかけて総合エネルギー会社のエンロンや通信会社のワールドコムなどの巨大会社が粉飾決算で倒産に追い込まれ、これらの事件をきっかけとしてアメリカの株価は下降し、アメリカ企業に対する不信感が高まった。さらに、エンロンの監査を担当していた世界5大会計事務所の一つであったアーサー・アンダーセンがまたたくまに破綻(はたん)した。そこで、アメリカは金融市場に対する信頼を回復させるため、2002年「企業改革法」Public Company Accounting Reform and Investor Protection Act of 2002を成立させた。この連邦法は、上院議員ポール・サーベンスPaul Sarbanes(1933― )、下院議員マイケル・G・オクスリーMichel Garver Oxley(1944― )が提出した法案を両院別々に可決したものを、その後一体化させたものであるため、両者の名前をつけて、「サーベンス・オクスリー法」または「SOX(ソックス)法」とよばれている。
 企業改革法は、不正会計や監査問題により、大きく傷ついたアメリカの企業や金融市場の信用を回復させるため、監査制度、コーポレートガバナンス(企業統治)、ディスクロージャー(企業情報開示)などに関する抜本的な改革を行うことを目的としており、とくにSOX法第404条において経営者は内部統制を適切なフレームワーク(経営方針)に従って文書化し、それに基づく内部統制の整備状況や運用状況を評価し、外部監査人の内部統制監査を受けることを規定している。[中村義人]

日本における内部統制

企業の経営者は、これまで以上に経営の透明性と信頼性を高める社会的責任が生じてきており、このような変化に対応して会社法(2006年5月1日施行)では、経営者に対して内部統制の整備を義務づけた。すなわち、取締役に対し職務の執行が法令および定款に適合した体制や適正な業務を確保するために必要な体制を整備するように規定した(会社法362条4項6号)。この体制の整備とは、具体的には取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制(コンプライアンス)、取締役の職務の執行に係る情報の保存・管理に関する体制(情報管理)、損失の危険の管理に関する規定その他の体制(リスク管理)、取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制(内部監査)などである(会社法362条5項)。
 一方、金融庁はアメリカをはじめとした諸外国における内部統制の基準の内容を検討するとともに、国際的整合性にも配慮し、日本の実情にあった基準のあり方について審議を行い、2005年(平成17)12月「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」を公表し、日本の内部統制の基本的枠組みを明らかにした。その内容はアメリカで行われている内部統制と同じ目的・要素に一部追加したものとなっており、基本的に内部統制の四つの目的、すなわち(1)業務の有効性および効率性、(2)財務報告の信頼性、(3)事業活動にかかわる法令等の遵守、(4)資産の保全、の達成のため企業内のすべての者によって遂行されるプロセスとした。アメリカの内部統制の目的は、前記の(1)から(3)の3項目だが、日本では資産の取得や使用が適切な手続のもとに行われることが重要であると判断して(4)を追加した。
 そして、2008年4月1日以降に終了する事業年度から、内部統制の構築と運用が強制化された。すなわち、上場会社は、事業年度ごとに会社の財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制について評価した内部統制報告書を有価証券報告書とあわせて内閣総理大臣に提出しなければならない(金融商品取引法24条の4の4)。また、内部統制報告書には、公認会計士または監査法人の監査証明を受けなければならないこととされた(同法193条の2第2項)。この内部統制報告書には、内部統制の基本的枠組み、評価の範囲・基準日および評価手続、評価結果などに関する事項について記載することとされている。[中村義人]
『あずさ監査法人・KPMG著『内部統制ガイドブック』第2版(2009・東洋経済新報社) ▽宝印刷総合ディスクロージャー研究所編『内部統制制度の運用と課題――会社法と金融商品取引法の相互関係の再検討』(2009・中央経済社) ▽町田祥弘著『内部統制の知識』(日経文庫)』

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