企業の内部者によって行われる監査。組織体の経営目標の効果的な達成に役だつことを目的として実施される。外部監査人によって実施される外部監査と対比され、外部監査は強制監査(法定監査)であるのに対して、内部監査は任意監査の性格をもつ。内部監査は、会計監査のみならず業務監査にまで及び、合法性と合理性の観点から経営諸活動の遂行状況を検討・評価し、意見を述べ、助言・勧告を行い、さらに特定の経営諸活動の支援を行う。
外部監査(公認会計士監査)は、企業の第三者的立場から利害関係者に対して、財務諸表の適正性について意見を述べるのに対し、内部監査は、企業内部の立場から、経営諸活動が経営目標に合致しているかどうかについて経営者に対して意見を述べるものである。また、内部監査は、監査結果について意見を述べるだけではなく、発見された問題点について改善提案を行い、その項目が改善・是正されたか、フォローアップもしなければならない。この点も、外部監査と異なるところである。
内部監査を担当する内部監査部門は、他部門からの制約を受けることなく、公正不偏な態度で監査を遂行しうる環境になければならない。このため組織的に独立し、また原則、最高経営者に直属していることが必要である。さらに、内部監査担当者は、効果的な監査を実施するために、業務や監査に関する十分な知識、技能および能力を有していなければならない。
[中村義人 2022年11月17日]
『島田裕次著『はじめての内部監査――監査の基礎知識から実務での応用まで』(2020・日科技連出版社)』▽『日本内部監査協会編、川村眞一著『現代の実践的内部監査』7訂版(2021・同文舘出版)』▽『有限責任監査法人トーマツ編『内部監査実務ハンドブック』第3版(2022・中央経済社)』
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…財務会計論は,(a)簿記論,(b)財務諸表論,(c)原価計算論,(d)会計監査論等から構成されている。また管理会計論は,(e)原価計算論,(f)予算統制論,(g)経営分析論,(h)内部監査論等を内容としている。端的にいうならば,財務会計論は会計士会計学として,また管理会計論は経営者会計学として,それぞれ特徴づけることができる。…
… 会計監査は独立かつ公正な立場でなされなければならないから,会計記録に関与していない第三者によって行われなければならない。この第三者には企業内における第三者と企業外における第三者とがあり,前者には企業の内部監査課や監査役などがあり,後者には公認会計士と監査法人(5名以上の公認会計士によって共同で設立された法人。会計監査人は公認会計士・監査法人のいずれかでなければならない)がある。…
※「内部監査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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