円借款(読み)えんしゃっかん(英語表記)yen loan

翻訳|yen loan

精選版 日本国語大辞典 「円借款」の意味・読み・例文・類語

えん‐しゃっかん ヱンシャククヮン【円借款】

〘名〙 外国に円資金を貸し付けること。

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デジタル大辞泉 「円借款」の意味・読み・例文・類語

えん‐しゃっかん〔ヱンシヤククワン〕【円借款】

開発途上国経済援助のために、日本政府が政府間の合意に基づいて行う円建て低金利融資。→政府開発援助

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「円借款」の意味・わかりやすい解説

円借款
えんしゃっかん
yen loan

発展途上国の経済開発と福祉増進,あるいは国際収支の改善を支援するため,政府間の協定に基づいて海外経済協力基金 (現国際協力銀行) や日本輸出入銀行 (現国際協力銀行) が供与する円建ての国家的信用供与をいう。直接借款ともいう。政府開発援助 ODAのうち,国際機関などへの間接援助を除いた,相手国に対して直接行う融資であり,ごく一部を除き海外経済協力基金により実施される。円借款は,その使途により次のような種類に分けられる。 (1) プロジェクト・ローン 特定のプロジェクトに対する借款。援助枠を供与することにより複数のプロジェクトを対象とする借款。 (2) セクター・ローン バンク・ローンのように,あるセクターの複数プロジェクトに対して供与する借款。 (3) プログラム・ローン 国際収支上の困難を打開し,経済の安定を支援するために供与される借款で,商品援助がこれに含まれる。円借款は日本の ODAにおいて重要な地位を占めるばかりでなく,国際的にみてその資金規模はきわめて大きなものであり,金利が低く,条件や制限をつけないアンタイド率も高くなっている。

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百科事典マイペディア 「円借款」の意味・わかりやすい解説

円借款【えんしゃっかん】

開発途上国に対し,返済期間が長期で低金利の円資金を供与する日本政府の融資制度。開発途上国の産業開発や国際収支の改善などの経済安定化のための援助を目的としている。2国間政府の合意に基づき,交換公文を締結して行う。日本のODA(政府開発援助)の中心をなす有償資金協力大半を占める。通常,借款の実施機関は海外経済協力基金輸出入銀行など。1958年から開始され,1998年度の供与額は1兆1116億円(承諾額)。地域的にはアジア諸国が全体の8割を占め,量的には1990年代前半ですでに世界一となっている。返済義務を伴う有償援助が大部分なため,円高局面では,相手国に円借款の返済負担を増加させる。

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世界大百科事典(旧版)内の円借款の言及

【借款】より

…しかし交換可能通貨以外の通貨によって借款が行われる場合がある。その典型的な例は円借款である。これは,日本の輸出業者が援助対象物資を途上国に対し輸出し,その代金を海外経済協力基金から円で受領し,それと同時に海外経済協力基金は被援助国政府に対する借款の債権を取るという仕組みになっている。…

※「円借款」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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