日本輸出入銀行(読み)ニッポンユシュツニュウギンコウ

デジタル大辞泉 「日本輸出入銀行」の意味・読み・例文・類語

にっぽん‐ゆしゅつにゅうぎんこう〔‐ユシユツニフギンカウ〕【日本輸出入銀行】

昭和25年(1950)に設立された全額政府出資の政府金融機関。一般の金融機関が行う輸出入および海外投資に関する金融を補完し、または奨励することを目的とし、設備などの輸出、特定重要物資の輸入、海外投資などに必要な資金の貸付や直接借款などを行った。平成11年(1999)国際協力銀行に業務を引き継ぎ解散輸銀EIB(Export-Import Bank of Japan)。

にほん‐ゆしゅつにゅうぎんこう〔‐ユシユツニフギンカウ〕【日本輸出入銀行】

にっぽんゆしゅつにゅうぎんこう

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精選版 日本国語大辞典 「日本輸出入銀行」の意味・読み・例文・類語

にっぽん‐ゆしゅつにゅうぎんこう‥ユシュツニフギンカウ【日本輸出入銀行】

  1. 外国貿易を促進するため、輸出入や海外投資に対する金融、債務保証、外国政府への開発事業融資などを行なう全額政府出資の特殊銀行。昭和二五年(一九五〇日本輸出銀行として発足。同二七年、輸入金融業務を加えて日本輸出入銀行となる。平成一一年(一九九九)、海外経済協力基金統合され、国際協力銀行となった。輸銀。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本輸出入銀行」の意味・わかりやすい解説

日本輸出入銀行
にほんゆしゅつにゅうぎんこう

1950年(昭和25)日本輸出入銀行法に基づいて設立された全額政府出資の政府金融機関で、輸銀と略称した。当初、日本輸出銀行として出発したが、1952年輸入金融業務を追加して日本輸出入銀行となった。本銀行設立の目的は、外国との貿易を主とする経済の交流を促進するため、一般の金融機関が行う輸出入および海外投資に関する金融を補完し、または奨励することにあった。資金調達資金運用部資金からの借入れと債券発行によっており、これに自己資本金を加えた資金を運用にあてていた。

 おもな金融業務は、
(1)輸出金融 日本企業が船舶石油化学設備、通信設備などのプラントおよび技術を輸出する際に必要な資金の貸付。

(2)輸入金融 日本企業が石油などの資源や通信衛星コンピュータなどの製品や技術を輸入する際に必要な資金の貸付。

(3)投資金融 日本企業が海外で工場を建設したり、重要な資源を開発する際の投資に必要な資金の貸付。

(4)アンタイド・ローン 日本企業が進出先の国の経済基盤の整備や日本の資源確保に役だつプロジェクトに必要な資金の貸付。日本企業からの資機材購入を条件としない。

 1998年(平成10)3月時点の資金状況は、資本金9855億円、貸付金残高9兆9937億円、借入金残高7兆2610億円、債券残高は1兆3230億円であった。

 1995年3月、特殊法人等の整理合理化の一環として海外経済協力基金(OECF)との統合が閣議決定され、1999年10月、海外経済協力基金と統合し、国際協力銀行となった。なお、その後の政策金融改革によって、国際協力銀行の業務のうち「国際金融等業務」は、2008年(平成20)10月に日本政策金融公庫に引き継がれた。国際協力銀行は同公庫の国際部門となったが、2012年4月、日本政策金融公庫から再度、分離され、株式会社国際協力銀行(JBIC)として発足した。

[原 司郎]

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改訂新版 世界大百科事典 「日本輸出入銀行」の意味・わかりやすい解説

日本輸出入銀行 (にほんゆしゅつにゅうぎんこう)

〈日本輸出入銀行法〉(1950公布)に基づき1950年に設立された,全額政府出資の政府金融機関。正しくは〈にっぽんゆしゅつにゅうぎんこう〉。略称,輸銀。〈金融上の援助を与えることにより本邦の外国との貿易を主とする経済の交流を促進するため,一般の金融機関が行う輸出入及び海外投資に関する金融を補完又は奨励すること〉(輸銀法1条)を目的として,政策金融を行う。当初は日本輸出銀行(法律名も日本輸出銀行法)であったが,52年の法改正で輸入金融業務が追加され,同年現在の行名に改称された。主要業務は設備等の輸出金融,資源や製品等の輸入金融,海外投資金融および外国政府等に対する直接借款,債務の保証などである。業務内容は日本の経済発展に応じて拡大,多様化してきている。65年ころまでは重機械類,なかでも船舶輸出に関する輸出金融が中心であり,戦後日本の経済発展過程で輸出の拡大に貢献した。また65年ころから後はエネルギーその他の重要資源の開発輸入や資本供給国への転換などに伴って,製造業の海外投資金融が輸出金融と並んで重要な業務となった。99年10月,海外経済協力基金と統合して国際協力銀行に改組された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本輸出入銀行」の意味・わかりやすい解説

日本輸出入銀行
にほんゆしゅつにゅうぎんこう

日本輸出入銀行法に基づき設けられた政府金融機関。1950年設立。正式呼称は「にっぽんゆしゅつにゅうぎんこう」。日本輸出銀行法に基づき日本輸出銀行として発足,1952年同法の改正によって輸入金融を加え,法律名・銀行名ともに日本輸出入銀行に改められた。外国との貿易による経済交流促進のため,一般の銀行などではまかないきれない長期資金(輸出入・海外投資資金)を協調融資によって補完することをおもな業務としたが,資源開発の重要性から海外投資金融を拡充し,円借款による援助金融に業務を拡大していった。1999年10月に海外経済協力基金と統合,国際協力銀行となった。国際協力銀行は 2008年10月1日に解散,国際金融などの業務は日本政策金融公庫に統合され,海外経済協力業務は国際協力機構に統合された。2012年日本政策金融公庫に統合された国際金融部門が再び分離して,新たに国際協力銀行として発足した。

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百科事典マイペディア 「日本輸出入銀行」の意味・わかりやすい解説

日本輸出入銀行【にほんゆしゅつにゅうぎんこう】

一般金融機関が行う輸出入と海外投資に関する金融の補完を目的とする政府金融機関。日本輸出銀行法に基づき日本輸出銀行として1950年設立,1952年現行名に改称。プラント輸出入,海外投資の金融が中心。資金源は全額政府出資の資本金,資金運用部からの借入等。本店東京。その後,1999年10月,海外経済協力基金と統合して国際協力銀行に改組された。
→関連項目プラント輸出輸出入銀行

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世界大百科事典(旧版)内の日本輸出入銀行の言及

【延払輸出】より

…輸入者が支払を繰り延べて行うことが〈延払いdeferred payment〉といわれるゆえんだが,輸出者(サプライヤー)は輸入者(バイヤー)に対して信用の供与(5年未満が中期,5年以上が長期)を行う。信用供与の方法は輸出者から輸入者に対する直接のサプライヤーズ・クレジットが一般的で,これは,輸出者は輸出信用供与機関(日本輸出入銀行海外経済協力基金)から資金を借り,輸入者から輸出代金を回収するごとに返済するという方法である。このほか,輸出信用供与機関が輸入者に対して融資する場合(バイヤーズ・クレジット)や,輸入国の金融機関に融資する場合(バンク・ローン)もある。…

※「日本輸出入銀行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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