コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

写真フィルム しゃしんフィルム photographic film

3件 の用語解説(写真フィルムの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

写真フィルム
しゃしんフィルム
photographic film

写真感光材料の一つ。難燃性のトリアセテートまたはポリエステルなどを支持体として,主としてハロゲン化銀ゼラチンから成る写真乳剤を塗布,乾燥したもので,透明な写真画像をつくるのに使う。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

しゃしんフィルム【写真フィルム photographic film】

薄い膜状のもの(フィルムという)を支持体として,その上に写真乳剤層を設けた感光材料。単にフィルムと呼ぶ場合が多い。ハロゲン化銀の微細な結晶粒子をゼラチン水溶液に分散させた写真乳剤を,三酢酸セルロースまたはポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し,乾燥させて作られる。フィルムの厚みは用途によって異なるが,ふつう80μmから200μmの範囲のものが使われている。現像によって被写体と明暗が逆になる(カラーの場合は色相も補色になる)ものをネガタイプ,また現像(この場合の現像を反転現像という)によって被写体と同じ像が得られるものをポジタイプ(リバーサルタイプ,反転タイプともいう)という。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

写真フィルム
しゃしんふぃるむ
photographic film

写真感光材料の一種で、透明な薄い膜状のもの(フィルム)を支持体として、その上に写真乳剤層を塗り、現像された画像を透過光で観察しうる構造のものをいう。インスタント写真では現像材を含む感光材料のことをフィルムとよんでいる。支持体には一時セルロイドを使用した時代もあったが、現在はトリアセテートやポリエステルが使用されている。またプリントして写真をつくることを目的とするネガタイプと、直接スライドなどをつくるポジタイプ(リバーサルタイプ、反転タイプ)があり、前者は現像によって被写体と逆の明暗が得られるもの、後者は被写体と同じ明暗になるものをいう。そのほか黒白フィルム(モノクロームフィルム)とカラーフィルム、ロールフィルムに対するシートフィルムなどに分類される。ロールフィルムは複数こま分のフィルムが1本の芯(しん)に巻いてあるものをいい、35ミリメートル幅で両側に等間隔の穴をもつ35ミリサイズ、24ミリメートル幅のAPSサイズ、61.5ミリメートル幅のブローニーサイズなどがある。シートフィルムは昔のガラスを支持体とする乾板にかわるものであるが、1こま分を1枚ずつシート状のフィルムにしたもので、現在は主として4インチ×5インチ、5インチ×7インチなど大型サイズのカメラに用いられている。[伊藤詩唱]

黒白フィルム

黒白写真をプリントするための原板(ネガ)をつくるフィルムで、ほとんどは黒白ネガタイプである。[伊藤詩唱]
構造
ベースとなるフィルム上に、乳剤とベースの接着性をよくするための下引(したびき)剤、感光乳剤、乳剤を保護するゼラチンの順に塗布し、裏面には、フィルムの巻きぐせ(カーリング)をとり平面性をよくするためと、ハレーション(フィルム裏面からの乱反射)を防止するために、色素を混ぜたゼラチンを塗ってあるのが普通である。一般用のフィルムでは、性能をよくするため感光乳剤層を2層にし、下側に低感度乳剤、上側に高感度乳剤を塗布した重層構造を採用しているものが多いが、ベースの両面に厚く乳剤を塗布したX線用フィルムなど特殊な構造となっているものもある。[伊藤詩唱]
用途
フィルムの構造や、乳剤そのものの性質を、それぞれの用途にもっとも適するように設計した多種類のフィルムがつくられ、広範な用途に供されている。紫外線用、一般写真用、複写用、製版用、赤外線用、放射線用、天文写真用などがある。[伊藤詩唱]
一般的性質
フィルムには感度、感光性(感色性)、コントラストその他の性質があり、これらを組み合わせて用途に適した特色をもたせている。どのくらい露光すればよいかを示す度合いを感度といい、一般撮影用フィルムはISO(イソ)感度で表示されている。感度は数値の大きいほうが高く、より小さい絞りとより速いシャッター速度を使用して撮影することができる。
 乳剤がどんな波長の光に対してどのような感じ方をするかということを感光性または感色性とよぶ。ハロゲン化銀本来の感光性は紫外部から青色光までで、最良のヨウ臭化銀でも約350ナノメートルから約520ナノメートル(青色光)までである。この色盲のハロゲン化銀に感光色素と称する物質を添加すると、より長波長の光、すなわち緑色光や赤色光に感ずるようになり、感光色素の種類によっては赤外線に感光する乳剤をつくることができる。この赤外線に感光性をもつフィルムをとくに赤外フィルムとよぶ。一般撮影用フィルムのほとんどは、赤色光までの可視光全域に感光する性質をもつパンクロマチック(略してパンクロ)とよばれるタイプであるが、緑色光まで感じるものをオルソタイプ、青色光や紫外線にしか感光性をもたないものをレギュラータイプと称する。
 画像の明暗の対比の度合いをコントラストといい、一般撮影用では、肉眼で見たとおりのコントラストに再現されるようにつくられているが、現像時間の長短によってある程度変化させることができる。とくにこの性質を強めたフィルムに、複写用のマイクロフィルムや製版用フィルムなどがある。
 どのくらい細かいものを写す能力があるかということを解像力といい、等間隔な黒白の条線のうち、見分け可能な黒白の1対の最小幅(ミリメートル)の逆数で表され、数値の大きいほうが能力が大きいことを示す。一般的には高感度のフィルムのほうが能力が小さい。
 被写体を同じ感じに再現できる露光の許容される範囲をラチチュードという。この性質の広いフィルムのほうが、露光の過不足に対する許容範囲が広く使いやすいが、一般にコントラストの高いもののほうがこの性質が小さい。分光写真や天文写真など明暗比の非常に大きい被写体用のフィルムは、とくにこの性質の広いものが要求されるので、3種の乳剤を3層に塗布したエクステンデッド・レンジ・フィルムとよばれるものが使用されている。
 ネガを構成する銀粒子の疎密の感じを粒(りゅう)状という。一般に、より低感度フィルムのほうが銀粒子が小さいので粒状性も良好である。[伊藤詩唱]
フィルムの上手な使用法
フィルムを上手に使うということは、その性能を十分に生かすことである。その基本は、戸外の人物や風景など一般的な撮影にはISO100ぐらいの中感度フィルム、大きなサイズに引き伸ばすことを前提とする場合は、解像力が高く粒状性のよいISO40前後の低感度フィルム、室内など光量が十分でない所やスポーツなど高速シャッターを必要とするときは、ISO400以上の高感度フィルムを選択するのが第一条件である。次にカメラや露出計の感度を正しくセットし、適切な露光を与え、最適な現像をすることが、よいネガをつくるこつである。[伊藤詩唱]

カラーフィルム

カラー写真をつくるためのフィルムで、スライドや印刷原稿のもととなるポジカラーフィルム用のカラーリバーサルフィルムと、プリント用のカラーネガをつくるカラーネガチブフィルム(一般には、ネガカラーフィルム)とがある。いずれも減色法の三原色によって発色させるために、1枚のフィルムの上に、シアン、マゼンタ、イエローに発色する3種の乳剤層およびフィルター層、ならびに保護層や下引層などをもつ12層にも及ぶ多層乳剤である。一般的性質は、黒白フィルムとほぼ同じであるが、感光性だけはすべてのフィルムが可視光全域に感じる。しかしその感じ方の違いによって、デーライト用とタングステン光用とに分類され、撮影光源が指定されている。しかしネガカラーフィルムのなかには、露光時間によって短時間用(主としてデーライト用)、長時間用(主としてタングステン光用)とに分けられているものもある。35ミリのネガカラーフィルムはユニバーサルタイプとよばれ、デーライト光にもタングステン光にも使用できる。そのほか、ほとんどのフィルムがカプラー(発色剤)を乳剤自身のなかにもつ内(うち)型フィルムであるが、まれにカプラーが現像液中にある外(そと)型フィルムもある。
 使い方の基本は黒白フィルムと同じであるが、前述のように光源や露光時間によりフィルムを選択しなければならない。なおネガカラーを撮影するときは、カラーリバーサルフィルムを同時に写しておき、このスライドを色見本としてプリントすると、色彩のよい写真をつくることができる。
 カラーフィルムの乳剤の1層を赤外光に感ずるように変更し、赤外光による像を色画像として記録させるようにしたものを赤外カラーフィルムといい、植物分布の遠隔調査などに使用されている。[伊藤詩唱]
『リーズ・V・ジェンキンズ著、中岡哲郎訳『フィルムとカメラの世界史――技術革新と企業』(1998・平凡社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の写真フィルムの言及

【感光】より

…これらの要因の中で感光要素あるいは感光材料の感度を考え,主要な材料の感度を比較すると表に示すとおりになる。すなわち,微弱な光を検出する感度はテレビジョン用ビジコン管が最も高く,写真フィルムがこれに次ぎ,複写用の電子写真やジアゾ複写材料(ジアゾタイプ)の感度は低い。表に示した解像力は,画像をつくる場合,狭い間隔で並んだ線を画像として再現しうる性能を示すもので,ジアゾ材料の解像力は大きい。…

【感光材料】より

写真フィルム乾板印画紙など写真撮影や写真の焼付けに用いる感光性材料をいう。広義には,写真を応用した複写,写真製版,X線写真などに使う感光性または放射線感光性の材料を含めて感光材料という。…

※「写真フィルム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

写真フィルムの関連キーワードリバーサルフィルムハレーションフィルムポジフィルムロールフィルムフィルムパックフィルムベースラップフィルムキャストフィルムラミネートフィルム

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

写真フィルムの関連情報