朝鮮半島で好まれる麺料理。この麺はそば粉とデンプンをあわせてよく練ってつくった生地(きじ)を、型枠で細長く押し出し熱湯に落としてゆで麺にする。これを冷水でさらすと、こしのある麺になる。この場合、デンプンの割合が高いほどこしが強く歯ごたえが出る。冷ましただし汁に麺を入れ、その上に蒸し肉の薄切り、キムチ、キュウリ、ナシなどの果物、錦糸(きんし)卵、キノコ類の細切りなどを具としてのせる。しょうゆ、酢、からしなどで調味して食べるが、冷麺には汁を入れないものもある。もともとは12月の季節食である時食(シシック)として、温かい温突(オンドル)部屋で涼感を味わう冬の料理であった。昨今は氷なども用いて、夏によく食べられるようになった。冷麺は平壌冷麺(ピョンヤンネンミョン)が昔から味のよさで有名である。
[鄭 大 聲]