出訴期間(読み)しゅっそきかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「出訴期間」の意味・わかりやすい解説

出訴期間
しゅっそきかん

行政訴訟提起することのできる法定期間行政事件訴訟法によると,取消し訴訟の出訴期間は,処分または裁決があったことを知った日から 6ヵ月以内(主観的出訴期間)であるが,正当な理由があればこのかぎりではない(14条1項)。取消し訴訟は,処分または裁決の日から 1年(客観的出訴期間)を経過したときは提起することができないが,正当な理由があればこのかぎりではない(14条2項)。行政庁公権力行使(→行政処分)は公益多数利益にかかる事例が多いため,早く確定させて法的安定をはかる必要から,取消し訴訟においては出訴期間をかぎっている。このほか公職選挙法消防法などの法律に,出訴期間の特例がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「出訴期間」の意味・わかりやすい解説

出訴期間
しゅっそきかん

行政庁の処分または裁決について、取消訴訟の提起を許される期間をいう。処分もしくは裁決のあったことを知った日から6か月、または処分もしくは裁決の日から1年とするのが原則である(行政事件訴訟法14条)。これは行政の円滑と第三利害関係者の保護に寄与するが、行政処分に不服ある者は時効よりもはるかに短期間で権利救済を求めることができなくなる点に注意しなければならない。処分があったことを知った日とは、当事者が書類交付口頭告知などにより処分の存在を現実に知った日をさすが、当事者の住所に送達されるなど社会通念上処分のあったことを了知しうべき状態に置かれたときは、処分のあったことを知ったものと推定されるのが原則である。

[阿部泰隆]

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