翻訳|dynamometer
ダイナモメーターともいう。内燃機関などのエンジンや圧縮機,ポンプなどの作業機械において,発生または吸収する動力を計測する装置。これらの機械の工率は,動力計でトルクを,回転計で回転数を求めて算出されるが,一般にはトルクを測る計器を工率計または動力計と同義語に用いることが多い。動力計には,吸収動力計,伝達動力計などがある。吸収形のものでは,水動力計,渦電流型動力計がある。水動力計は一様に水が満たされたチャンバーの中で主軸を取り巻いて設けられた羽根と,これと対向して主軸に取り付けられた回転羽根とで構成されている。試験するエンジンなどを主軸に連絡し回転すると,対向した羽根の間で渦流が起こり制動作用をする。制動エネルギーは熱に変換し,循環している水に伝わり捨てられる。一定回転しているときの動力計が受ける反作用のトルクは,チャンバー内の水の量により決まるので,一定範囲のトルクとなるように水位を調整する。反作用トルクを,回転羽根の外回りにあるトルク検出部により計測する。渦電流型動力計は,励磁コイルを外周上に配置した磁場の中で,歯車状のローターが回転すると,歯のピッチごとに磁束が変化し,固定されている外側部分のステーターに渦電流を生ずる。この結果,ローターとステーターの間にフレミングの法則による力が生じ,制動力となる。内部の発熱は,冷却水により冷却される。このときの励磁コイル側が受ける反力を力検出機構によって計測するものである。伝達動力計は,原動機とその動力を吸収する作業機との中間の伝動系にかかる回転モーメントを,例えば伝動転のねじり変位,伝動歯車箱にかかる反力,伝動ベルトの張力などから測るものである。ねじり変位から測るものをねじり動力計あるいはトルクメーターといい,伝動軸のねじれによる弾性変位,磁気ひずみ,圧電効果などを利用して測る。
執筆者:樋田 並照
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