勝絶(読み)ショウセツ

デジタル大辞泉 「勝絶」の意味・読み・例文・類語

しょう‐せつ【勝絶】

日本音楽十二律の一。基音壱越いちこつより三律高い音で、中国の十二律の夾鐘きょうしょう洋楽のへ音にあたる。

しょう‐ぜつ【勝絶】

[名・形動ナリ]
景色や味わいなどのきわめてすぐれていること。また、そのさま。
「振舞の菜にひしほ出たり。風味ことに―なり」〈咄・醒睡笑・七〉
しょうせつ(勝絶)

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精選版 日本国語大辞典 「勝絶」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ぜつ【勝絶】

〘名〙
① (形動) 景色または味覚などのきわめてすぐれていること。また、そのさま。また、その場所やもの。
明衡往来(11C中か)中本「又嵯峨野亭。其地勝絶」
咄本・醒睡笑(1628)七「振舞の菜に醤出たり。風味ことに勝絶なり」 〔杜甫‐宴戎州楊使君東楼詩〕
[補注]「絶」は漢音セツ(セチ)」、呉音「ゼチ(ゼツ)」。雅楽の音名の「勝絶」は①と区別するために清音でよむが、「易林本節用集」等「ゼツ」も見られる。→「しょうせつ(勝絶)」の補注

しょう‐せつ【勝絶】

〘名〙 (「せつ」は「絶」の漢音) 雅楽の音名。洋楽の「ヘ」音に相当
※易林本節用集(1597)「十二律 壱越〈略〉勝絶(セウセツ)
[補注]「易林本節用集」には挙例ほかに「勝絶 ショウゼツ 卯時調」ともあり、「しょうぜつ」とも読ませたように思われるが、元祿五年(一六九二刊行の「律原発揮」の「本邦十二管名」に「勝絶 絶音雪」とあり「セツ」と読むとしている。

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普及版 字通 「勝絶」の読み・字形・画数・意味

【勝絶】しようぜつ

絶妙。〔春渚紀聞、九〕(竜尾渓の硯)硯は常硯の如く、甚だしく佳なる無し。但だ之れを用ひ、埃垢積するに至るも、經滌(あら)はずして新たなるが如し。此れをと爲すのみ。

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