精選版 日本国語大辞典「勝」の解説
がち【勝】
① そのことのほうに傾いていること、または、傾きやすいことを表わす。…することが多い。…しやすい。この場合、それが好ましくない状態であることについていうのがふつう。また、この接尾語が付いた形は、下に「に・なり」または断定の助動詞などが付いて、形容動詞語幹相当として用いられる。「曇りがち」「病気がち」など。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「末の世にらうたき人のものし給へば、それ見るとて彼方(あなた)がちなるを」
※源氏(1001‐14頃)松風「寄する浪にそへて袖濡れがちなり」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「並(なみ)や通途(つうづ)の者ならば然うはいかぬがち」
② それをすることが、あるいはそれのほうが得であることを表わす。…しどく。「早いものがち」
※虎明本狂言・禁野(室町末‐近世初)「今はこうしがちじゃ、そのゆみをかへせ」
しょう【勝】
〘名〙
① 地勢または景色のすぐれていること。また、その土地。
※江戸繁昌記(1832‐36)初「予の勝を好むの僻、嘗て湖瀕に賃居す」 〔諸葛亮‐黄陵廟記〕
② 勝利。かち。また、勝利の回数をかぞえるのに用いる。「三戦二勝」
かつ【勝】
〘名〙 (動詞「かつ(勝)」が、名詞的に用いられたもの) 歌合などの競技で、組合わせになった相手に勝つこと。
※源氏(1001‐14頃)絵合「よろづ皆おしゆづりて、左かつになりぬ」
かつ【勝】
姓氏の一つ。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報