出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…経済の発展や景気変動に応じて,人間の肉体的・精神的諸能力の総体である〈労働力〉という特殊な商品を種々な職業,産業,地域に配分,再配分しながら,労働力商品の価格(賃金)が決定される機構を労働市場という。労働力商品の買手である労働需要は,資本の蓄積をともなう経済発展によって長期的,短期的に変動する。短期的には,景気変動によって量的に変化し,長期的には,技術的進歩をともなう産業構造の高度化によって労働需要の質的構造が変化する。…
…自己の労働能力を商品として雇主に販売し,一定時間の労働の対価として得る賃金や俸給によって生計をたてる階級をいう。社会的労働に携わる〈就業者〉に関する統計用語でいえば,労働者は〈雇用者〉とほぼ同義であり,自営農,商工業者などの〈業主〉,家族の一員として業主の仕事を手伝う〈家族従業者〉から区別される。現在,先進諸国では就業者中に占める雇用者の比率が70~95%の高さにも及んでいる。生産単位の不断の増大を伴う資本主義の形成と発展が,生産者の圧倒的多数から生産手段(土地,機械,原料など)を剝奪(はくだつ),彼らを無産化(プロレタリア化)し,彼らに,集中化された生産手段を所有する資本家に〈雇われて働く〉ことを余儀なくさせたからにほかならない。…
※「勤労者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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