精選版 日本国語大辞典 「匕」の意味・読み・例文・類語 ひ【匕】 〘 名詞 〙 =さじ(匙)[初出の実例]「皇帝取レ盃以レ匕祭レ醴」(出典:新儀式(963頃)四)[その他の文献]〔儀礼‐少牢饋食〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「匕」の読み・字形・画数・意味 匕2画 [字音] ヒ[字訓] ならぶ・さじ・あいくち[説文解字] [甲骨文] [金文] [字形] 象形人の右向きの形。また、さじ・小刀の形。これらの三義はもと異なるものであるが、字形が似ているので同形となった。〔説文〕八上に「相ひ與(とも)に比敍するなり。反人に從ふ」と比叙の意と解し、また「匕は亦た比を用(もつ)てを取る以(ゆゑん)なり。一名(し)」と匕(ひしやく)の意とする。器としては匙(さじ)の形で、是は柄の長いスプーン、それに匕をそえて匙とする。卜文では妣(ひ)の初文に用い、「亡きはは」の意とする。比叙の字は比、二人並ぶ意であるから、〔説文〕の解は比に施すべきものである。[訓義]1. ならぶ、したしむ。2. さじ、しゃもじ。3. あいくち、やじり。4. 妣の初文。なきはは。[古辞書の訓]〔名義抄〕匕 カヒ[部首]〔説文〕に匙・頃・卓・艮など八字をこの部に属し、〔玉〕も同じ。匙(し)は匕の把手(とつて)あるもの。卓は匕と早(スプーンの形のさじ)を組み合わせたもので、匕の大なるもの。字の構成は匙と似ている。頃は首(稽首)の、神を迎える形。ただこの匕は降下する神霊の姿である。艮(こん)の上部は邪眼。それにおそれて恨戻の状態となり、卻(しりぞ)くことをいう。なお从(從)・比・北は、みな人の側身形を組み合わせた字である。[声系]〔説文〕に匕声として牝・旨・尼など五字を収める。牝は卜文の牝牡(ひんぼ)の字に記号的に加えられているもので、牝器の象形であるが、声義の関係はない。旨は匕を以て器中のものを取る形で会意。尼(じ)は人の後ろに寄り近づき、親昵(しんじつ)の意を示すもので、これも会意の字である。[熟語]匕爨▶・匕首▶・匕俎▶・匕▶・匕▶・匕鬯▶[下接語]挟匕・棘匕・玉匕・失匕・執匕・漆匕・食匕・操匕・象匕・匕・刀匕 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報