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化学化石 かがくかせき

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大辞林 第三版の解説

かがくかせき【化学化石】

化石や堆積岩に残存している生物体由来の有機化合物。炭化水素やアミノ酸・炭水化物の類が検出されており、生命の起源・進化を考える手掛かりになる。 → 化学進化

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(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

かがくかせき【化学化石 chemical fossil】

化石や地層中に残っている有機化合物。1967年,G.エグリントンとM.カルビンが命名した。化石の有機物については,すでに1954年にP.H.アーベルソンによって,デボン紀以降の各種の化石からアミノ酸が検出され,化石の研究に生化学の方法が導入できるとして,古生化学という研究分野が提唱されていた。最も安定な有機化合物は炭化水素で,炭素‐炭素の結合エネルギーは66.5kcalである。このように大きな結合エネルギーのために,炭化水素がクラッキング(炭素‐炭素結合の切断)によって分解し,1/2.31の量にまで減少するのに,300Kで1027年,400Kで1014.5年を要するという。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

化学化石
かがくかせき
chemical fossil

堆積(たいせき)岩や化石に含まれている有機物質が生物体から由来するものであった場合、これらの有機化合物を化学化石とよぶ。アメリカのカーネギー研究所のエーベルソンP. H. Abelsonは、1954年に古生代デボン紀の魚の化石に、生息時の生体を構成していた7種のアミノ酸が含まれていることを初めて明らかにした。その後、アメリカのエグリントンG. EglintonとカルビンM. Calvinは『化学化石』The Chemical Fossilという標題の著書のなかで、堆積物の中に保存されている古生物の生体から由来した有機化合物が、化学分析によって確認されたものを化学化石とよんだ。
 これまでに確認された化学化石には、安定な炭化水素やポルフィリンのほか、不安定な脂肪酸、炭水化物、タンパク質、リグニンなどの化合物がある。その地質年代は30億年以上に及び、地球上における初期生命の起源や進化を考えるために貴重な資料となっている。化学化石のことを別に「生体分子の化石」molecular fossilともいう。生物進化の過程で、分子量の小さい構造の単純な有機化合物が、分子量の大きい複雑な構造をもった化合物に発達していく過程を化学進化chemical evolutionとか分子進化molecular evolutionという。この過程はまた、地温などその地質学的環境を考えるうえで貴重な手掛りとなっている。ただし、地層が堆積したのちに二次的に染み込んだ有機化合物や、不溶性の高分子化合物の場合は化学化石とはよばれない。
 1996年にグリーンランドの38億5000万年前の鉄鉱層から発見された燐灰石に含まれる炭素の同位体組成を調べた結果、これが生物起源の炭素であることが判明した。これは最古の化学化石であり、また最古の生命の記録でもある。[大森昌衛]
『M・カルビン著、江上不二夫ほか訳『化学進化――宇宙における生命の起原への分子進化』(1970・東京化学同人) ▽原田馨著『化学進化――生命の起源の化学的基礎』(1971・共立出版) ▽秋山雅彦著『よみがえる分子化石――有機地質学への招待』(1995・共立出版)』

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世界大百科事典内の化学化石の言及

【化石】より

…これらの殻の詳細な構造は電子顕微鏡によって究明される。さらに,岩石中に含まれる生物起源の有機化石物などは化学化石と呼ばれる分子レベルの化石である。そのほか,擬化石と呼ばれるものがある。…

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