カルビン(読み)かるびん(英語表記)Melvin Calvin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルビン」の意味・わかりやすい解説

カルビン(Melvin Calvin)
かるびん
Melvin Calvin
(1911―1997)

アメリカの化学者・生化学者。ミネソタ州セント・ポールでロシア移民の子として生まれる。ミシガン鉱山技術大学卒業後、1935年ミネソタ大学で化学の学位を受け、その後マンチェスター大学に留学した。カリフォルニア大学バークリー校で講師になり、のちにローレンス放射線研究所の生物有機化学部門の主任、同大学化学生物科学研究所長などを歴任した。最初は有機化学を研究していたが、1946年以後、放射性同位元素14Cを含んだ二酸化炭素を緑色植物に吸収させ、生合成された種々の化学物質の時間的変化を解析し、光合成における炭水化物を生合成する回路的経路、いわゆるカルビン回路を発見、1961年ノーベル化学賞を受賞した。その後は植物による燃料生産、化学進化、化学発癌(はつがん)など広範な分野にわたって研究を進めた。

[宇佐美正一郎・宇佐美論]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルビン」の意味・わかりやすい解説

カルビン
Calvin, Melvin

[生]1911.4.8. ミネソタ,セントポール
[没]1997.1.8. カリフォルニア,バークリー
アメリカの有機化学者,生化学者。 1935年ミネソタ大学で学位を取得後,イギリスのマンチェスター大学留学 (1935~37) ,カリフォルニア大学講師 (37) ,教授 (47) ,同大学ロレンス放射研究所の生化学部長 (46) 。 71年同大学のユニバーシティ教授に就任。 1960年から 80年まで同大学ケミカルバイオダイナミックス研究所長をつとめた。光合成に関するカルビン=ベンソン回路を発見。 61年ノーベル化学賞を受賞。放射化学,有機キレート化合物の研究,生命の起原の問題にも貢献した。

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