動物体内で、物質分子を直接受容できるように分化した受容器をいう。下等無脊椎(むせきつい)動物では、化学受容器の分化は一般に低い。これに対して、昆虫や脊椎動物では化学受容器が分化し、味を感ずる味受容器と、においを感ずる嗅受容器(きゅうじゅようき)に区別される。昆虫の脚(あし)の跗節(ふせつ)や口器などにあたる毛状感覚子、脊椎動物の味蕾(みらい)が味受容器であり、昆虫の触角にある毛状感覚子や錐状(すいじょう)感覚子、脊椎動物の鼻腔(びこう)内の嗅上皮が嗅受容器である。なお、血中の酸素や二酸化炭素分圧を受容する哺乳(ほにゅう)動物の頸動脈(けいどうみゃく)体や大動脈体も化学受容器に含められる。
[山口恒夫]
…頭蓋腔内圧(脳圧)が上昇したり脳血流量が減少したりすると嘔吐中枢は酸素不足に陥り,これによっても嘔吐が起こる。そのほか延髄第四脳室の両側壁の最後野と呼ばれる部分には化学受容器があり,血液中の化学物質によって刺激されるとその情報は嘔吐中枢に伝えられ,嘔吐をひき起こす。各種代謝障害,たとえば尿毒症,重症黄疸,重症糖尿病,妊娠中毒症などのときみられる嘔吐は,この機序による。…
※「化学受容器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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