十二貫野用水(読み)じゆうにかんのようすい

日本歴史地名大系 「十二貫野用水」の解説

十二貫野用水
じゆうにかんのようすい

十二貫野台地を開発するため開かれた用水で、当初の取入口は宇奈月うなづき(現宇奈月町)、のち現在の尾沼おのぬま(現同上)に移された。谷水を取水し、黒部川左岸の断崖絶壁を縫って十二貫野台地に達し、多くの支流に分流する。天保八年(一八三七)加賀藩は新田裁許列大熊おおくま(現魚津市)の椎名道三に用水路開削の可能性を調査させた。翌九年道三を用水路開削の主付に任命し、掘立方を命じた。同一〇年五月に藩費で着工、翌年七月宇奈月谷から別所べつしよまで約一万一千三〇〇間が通水した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「十二貫野用水」の意味・わかりやすい解説

十二貫野用水
じゅうにかんのようすい

富山県北東部、黒部市の中央部南寄り一帯灌漑(かんがい)する用水。十二貫野は黒部川下流左岸の洪積層開析扇状地で、この地を水田化するため1839年(天保10)加賀藩は椎名道三(しいなどうさん)(1790―1858)に命じて用水を開削させた。満2年で完成し、現在も十分に機能している。黒部川峡谷左岸の尾沼谷、宇奈月(うなづき)谷、分銅(ふんどう)谷3川の水を集め、急崖(きゅうがい)絶壁山腹を縫って延長31キロメートル、分水路をあわせると約40キロメートルに達する。谷を渡るときにはサイフォンの理が応用されている。

[深井三郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

事典・日本の観光資源 「十二貫野用水」の解説

十二貫野用水

(富山県黒部市)
とやまの名水66選指定の観光名所。

十二貫野用水

(富山県黒部市)
疏水百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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