十五大寺(読み)じゅうごだいじ

精選版 日本国語大辞典 「十五大寺」の意味・読み・例文・類語

じゅうご‐だいじ ジフゴ‥【十五大寺】

奈良中心とする一五の大きな寺。東大寺興福寺元興寺大安寺薬師寺西大寺法隆寺新薬師寺本元興寺招提寺西寺四天王寺崇福寺弘福寺東寺総称。また、東大寺・興福寺・元興寺・大安寺・薬師寺・西大寺・法隆寺・新薬師寺・太后寺・不退寺・京法華寺超昇寺・招提寺・宗鏡寺・弘福寺の一五。その他の数え方もある。
延喜式(927)二一「凡十五大寺安居者、寺別請講師・読師及法用僧三口〈咒願。散花。唄各一口〉并定座沙彌一口、講読師沙彌各一口

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デジタル大辞泉 「十五大寺」の意味・読み・例文・類語

じゅうご‐だいじ〔ジフゴ‐〕【十五大寺】

奈良を中心とする15の大寺院。東大寺興福寺元興寺大安寺薬師寺西大寺法隆寺新薬師寺・太后寺・不退寺・京法華寺・超昇寺・招提寺・宗鏡寺・弘福寺(川原寺)。また、東大寺・興福寺・薬師寺・元興寺・大安寺・西大寺・法隆寺・弘福寺・新薬師寺・本元興寺・招提寺・東寺西寺四天王寺崇福寺とするなどの説がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十五大寺」の意味・わかりやすい解説

十五大寺
じゅうごだいじ

平安時代のなかばから中世の末頃まで朝廷尊崇を受けた 15の大寺をいう。2説があり,古説では東大寺,興福寺,薬師寺,元興寺,大安寺,西大寺,法隆寺 (以上南都七大寺) ,新薬師寺,本元興寺 (あるいは法華寺) ,唐招提寺,四天王寺,崇福寺,弘福寺,東寺,西寺。その後の説では南都七大寺に新薬師寺,不退寺,法華寺,超証寺 (超昇寺) ,竜興寺,唐招提寺,宗鏡寺,弘福寺の8ヵ寺を加えている。

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とっさの日本語便利帳 「十五大寺」の解説

十五大寺

奈良を中心とする大寺の総称。▽東大寺、興福寺、元興寺、大安寺、薬師寺、西大寺、法隆寺、新薬師寺、招提寺、本元興寺、東寺、西寺、四天王寺、崇福寺、弘福寺 ※延喜式による

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世界大百科事典(旧版)内の十五大寺の言及

【官寺】より

…680年(天武9)4月に蘇我氏の氏寺であった飛鳥元興寺が,当時あった二,三の国大寺とともに官寺の中に入れられ,また聖徳太子の熊凝(くまごり)寺も舒明天皇のとき百済大寺となったと伝える。奈良時代初期には四大寺,五大寺,七大寺(大安,薬師,元興,興福,法隆,東大,西大寺)と増加し,791年(延暦10)には弘福寺,四天王寺,崇福寺の3寺を加えて十大寺と定め,《延喜式》に至っては唐招提寺,東寺などを加えて十五大寺と呼ばれた。官寺すなわち大寺は国家が檀越(だんおつ)で,造建するに当たっては,造仏官,造寺司が設けられた。…

【大和国】より

…784年山背(城)国長岡京遷都によって平城京が廃されると,南大和の飛鳥地方に国府を設けていた大和国司が1国15郡を支配した。そのころ十五大寺が定まるが,これは南都七大寺(東大,興福,元興,西大,薬師,大安,法隆)に奈良の唐招提寺,新薬師寺,飛鳥の本元興寺,弘福寺(ぐふくじ)(川原(かわら)寺),京都の東寺,西寺,摂津の四天王寺,近江の崇福寺を加えたものであり(《延喜式》),これに飛鳥の両寺が加えられたのは飛鳥の復権を示している。しかし,奈良の社寺はその境内地を拡充して社寺の都の南都を出現させ,さらに社寺領荘園の設定に努めたため,国司との対立が激化した。…

※「十五大寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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