カムチャツカ半島の東側斜面がアレウト列島西端のコマンドル諸島と接する付近から北海道襟裳(えりも)岬沖の襟裳海山まで,千島列島に平行に連なる海溝。海溝軸の深さは南西ほど深くなる傾向がある。全長は約2200kmである。最深部はウルップ島南方に1万0542mがビーチャジ号により報告されているが,再調査の結果は未確認である。海溝沿いの地震活動はきわめて活発で,最大傾斜45度の深発地震面が深さ600kmまで明瞭にたどれる。海溝軸のやや陸側にはマグニチュード8.0以上の巨大地震(1952年の十勝沖地震など)がしばしば起こっている。これらの地震はすべて海底が陸の下へ沈み込むときに陸側とすれあって生ずる逆断層型である。海溝の海側にはこう配のゆるい高まりである海溝周縁隆起帯(マージナル・スウェルmarginal swell)があり,北海道海膨と呼ばれることもある。千島列島には海溝軸から平均240km離れて活火山の列があり,北東ほど火山活動は激しい。歯舞(はぼまい)諸島は今は活動していない前弧に相当する。千島列島の背後の千島海盆はかつて拡大した縁海であるといわれているが,時代や拡大方向はわかっていない。それ以外のオホーツク海の大部分は大陸性地殻を有するらしいが,詳細は不明。
執筆者:小林 和男
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