咫尺(読み)しせき

精選版 日本国語大辞典「咫尺」の解説

し‐せき【咫尺】

〘名〙 (「」は中国の周尺で八寸=約一八センチメートル、「尺」は一尺で一〇寸=約二二・五センチメートルの意)
① 尺度の短いこと。距離の近いこと。
※経国集(827)一四・奉和清涼殿画壁山水歌〈都腹赤〉「名山大水宛然是。咫尺能分千万里
平治(1220頃か)中「ひとり人の心のあひむかへる時、咫尺の間もはかる事あたはず」 〔戦国策‐趙策上・粛侯〕
② (━する) (「春秋左伝‐僖公九年」の「天威顔咫尺」から) 貴人などに近よること。拝謁(はいえつ)すること。
※田氏家集(892頃)上・和高侍中鎮夷府貢良馬数十疋、有勅頒賜、偶題長句「為君占得龍媒賜。咫尺雲霄意驤」
※太平記(14C後)四「玉扆(ぎょくい)に咫尺(シセキ)して被召仕ける人とては」
※金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉前「世に愛たき宝石に咫尺(シセキ)するの栄を得ばやと」

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デジタル大辞泉「咫尺」の解説

し‐せき【×尺】

[名](スル)《「咫」は中国のの制度で8寸、「尺」は10寸》
距離が非常に近いこと。「咫尺かん
貴人の前近くに出て拝謁すること。
「恐れ多くも九重ここのえに―し奉ったためしは」〈魯庵社会百面相
[類語]手近い程近い近い間近い間近じきすぐ至近近く目前鼻先手が届く指呼しこ目睫もくしょうかん目と鼻の先身近手近卑近身辺そばかたわわき片方かたえ手もと付近近辺近傍近所最寄り足元座右左右手回り身の回り・ついそこ

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普及版 字通「咫尺」の解説

【咫尺】しせき

尺余。わずかな距離。〔国語、斉語〕天威、顏を(さ)らざること咫尺。小白(桓公)余、敢て天子の命に、爾(なんぢ)下拜すること無(なか)れと曰ふを承けんや。下(しも)に隕越(ゐんゑつ)して、以て天子の(はぢ)を爲さんことをると。に下りて拜し、(のぼ)りて命を受く。

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世界大百科事典内の咫尺の言及

【五色墨】より

…其角没して25年,世の作者はまことの心を失い,孕(はら)み句を作っては,点取の勝負にこだわる。このような弊を排するため,宗瑞(そうずい),蓮之,咫尺(しせき),素丸,長水の5人が相寄り,《新撰六帖》にならって輪番で1人が判者となり,四吟歌仙五巻を興行し,互いに批評し合って楽しんだ。巻頭に点取俳諧を難じた《雑談集》の其角の文を掲げ,巻末には敬雨を加えた6人の竟宴歌仙を付す。…

※「咫尺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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