南無三宝(読み)ナムサンボウ

デジタル大辞泉 「南無三宝」の意味・読み・例文・類語

なむ‐さんぼう【南無三宝】

[名]仏・法・僧の三宝帰依する意。三宝に呼びかけて、仏の助けを求める語。
[感]驚いたとき、失敗したときなどに発する語。しまった。なむさん。「南無三宝、こいつは困った」

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精選版 日本国語大辞典 「南無三宝」の意味・読み・例文・類語

なむ‐さんぼう【南無三宝】

  1. [ 1 ] 〘 連語 〙 ( 「三宝」は仏・法・僧の三つをさす ) 仏語。三宝に帰依し奉るの意で、三宝に呼びかけて仏の救いを求めることば。
    1. [初出の実例]「げに何事も一炊の夢、南無三宝南無三宝」(出典:光悦本謡曲・邯鄲(1464頃))
  2. [ 2 ] 〘 感動詞 〙 突然の出来事に驚いたり失敗したりした時に発することば。しまった。なめらさんぼう。なむさん。
    1. [初出の実例]「しづめの石ばかりをば、たんふとうち入南無三宝いまか見はてとたかくいひしづめた躰にもてなし、助てくがにもどりけり」(出典:幸若・信太(室町末‐近世初))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「南無三宝」の意味・わかりやすい解説

南無三宝
なむさんぼう

仏(覚者)・法(仏の教え)・僧(教えを信奉する教団)を宝に例え、その三宝に帰依(きえ)すること。三宝に帰依を表明することは仏教徒としての基本的条件である。サンスクリット語ナモー・ラトナ・トラヤーヤnamo ratna-trayāyaはその原語で、ナムカラタンノトラヤヤは漢字音写したもの「南無喝囉怛那哆囉夜耶」の代表的読み方。転じて、俗語で、失敗をしたと思ったときに、成功を祈る気持ちで発する間投詞として用いる。さらには、「南無三」「南無三、しまった」と重ねていったりして、物事をし損なったときに発する語として用いる。

[石上善應]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南無三宝」の意味・わかりやすい解説

南無三宝
なむさんぼう

南無は namasの音写で帰命するという意。三宝は仏教で尊ぶ3種の宝で,仏陀,仏教の説く真理,出家修行者や信徒またはその集団をいう。したがって,以上の三宝に対して敬礼するという意。一般には,危機に遭遇したとき発する言葉として用いられる。

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