南知多(読み)みなみちた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「南知多」の意味・わかりやすい解説

南知多(町)
みなみちた

愛知県知多半島南部、知多郡にある町。知多半島の岬端部と篠(しの)島、日間賀(ひまか)島を含む。1961年(昭和36)師崎(もろざき)、豊浜(とよはま)、内海(うつみ)の3町と篠島日間賀島の2村が合併して南知多町改称。名古屋鉄道知多新線、南知多道路、国道247号が通じ、伊良湖(いらご)岬へフェリーが運航する。園芸、畜産が盛んで、ノリやワカメなどの養殖漁業が行われている。漁獲量は愛知県第1位となっている(2018)。名古屋市に近い海の観光地で、三河湾国定公園(みかわわんこくていこうえん)の拠点の一つ。四季を通じて潮干狩、海水浴、ミカン狩、釣りでにぎわう。内海、山海(やまみ)、豊浜の三つの温泉があり、南知多温泉郷を形成している。師崎港は千賀(せんが)水軍の基地。飲み水にも困る乏水性の町だったが、愛知用水の通水で水不足が解消した。岩屋寺(いわやじ)の大蔵経、金銅法具類は国指定の重要文化財、ウバメガシトベラなどで覆われた羽豆(はず)神社の社叢(しゃそう)は国指定天然記念物。豊浜の鯛(たい)祭、師崎の左義長(さぎちょう)が有名。面積38.37平方キロメートル、人口1万6617(2020)。

[伊藤郷平]

『『南知多町誌』全8巻(1981~1997・南知多町)』『『南知多町誌補遺版』全3巻(1998~2000・南知多町教育委員会)』


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改訂新版 世界大百科事典 「南知多」の意味・わかりやすい解説

南知多[町] (みなみちた)

愛知県南部,知多郡の町。人口2万0549(2010)。知多半島南端に位置し,三河湾篠島日間賀島を含む。半島部は全体にゆるやかな丘陵地が多い。伊勢湾と三河湾に面し,遠洋漁業の豊浜漁港をはじめ,近海漁業の篠島,日間賀島,師崎(もろさき),大井などの天然の良港に恵まれ,古くから漁業が盛んである。米作のほか,ミカン,野菜,花卉の栽培が盛んで,酪農や養豚も行われる。工業も食品加工を中心に生産が伸びている。海岸部は三河湾国定公園,内陸部は南知多県立自然公園に指定され,内海(うつみ)温泉(食塩泉,16℃)もあって,海水浴,潮干狩り,釣りなどの観光・レクリエーション地になっている。羽豆(はず)神社のウバメガシの社叢は天然記念物に指定されている。1980年名鉄知多新線が内海駅まで延長開通し,また南知多道路が通じる。
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百科事典マイペディア 「南知多」の意味・わかりやすい解説

南知多[町]【みなみちた】

愛知県知多郡,知多半島南端の町。中心の内海(うつみ)は海水浴場とミカン園で有名。豊浜は県下屈指の漁業基地。師崎(もろざき)は篠島日間賀(ひまか)島の観光基地。気候も温暖で三河湾国定公園に属する。名鉄知多新線が通じる。38.37km2。2万549人(2010)。

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