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反グローバリズム はんぐろーばりずむ anti‐globalization

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知恵蔵の解説

反グローバリズム

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反グローバリズム

地球規模で市場メカニズムを浸透させる経済のグローバル化は、強者と弱者の格差を拡げ、環境破壊をもたらすので反対する、という考え方と運動。担い手は環境・開発などのNGO、原発・遺伝子組み換えへの反対運動、学生・労組・農業団体など幅広い。これらの反グローバル派は、1990年代以降、国際会議の開催地に結集、例えば99年秋、シアトル世界貿易機関(WTO)閣僚会議をデモで包囲。それに対し同年のサミットが重債務国の債務削減を決定したのは、運動の成果。また世界社会フォーラムが毎年南で開かれ、多くのNGO・市民が参加。反グローバリズムの中の地球市民の運動は、グローバル化の全面的拒絶より、国際組織の民主化や特定の政策変更などを目標とし、市民社会の価値観や倫理を訴える役割を担ってきた。他方この運動には、アメリカ文化・多国籍企業の浸透、グローバル化に埋没する自国エリートなどへの反発や不満など、既存秩序の外に周辺化された人々のポピュリストエネルギーのはけ口という側面もある。その極端な例が銀行・マクドナルドなどへの襲撃。極左から極右までが「反グローバリズム」の行動に流れ込み、グローバル化は、左からは社会的格差を広げ、右からは国民国家を掘り崩すとされ、両極から挟撃されている。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

反グローバリズム

グローバル化は、一般に、世界的に情報、人やモノ、資本などが容易に、頻繁に移動することを意味する。一方、反グローバリズムとは、そうした傾向が多国籍企業による発展途上国の搾取や、通貨金融危機の発生、環境破壊を招くとする批判や運動である。最近では「スローフード」の提唱のように、文化や生活様式までも見直す動きが出ている。グローバル化は、情報通信革命をきっかけに加速されたが、制度的には、ブレトン・ウッズ体制が崩壊し、国際金融取引が大幅に自由化されたことが転機になった。もう1つの要因は冷戦の終結である。社会主義的管理体制が信頼を失墜させ、市場メカニズムへの評価がますます高まったことから、自由化政策が世界的に普及した。しかし、1999年にシアトルで開催されたWTO総会は、NGOなどの抗議行動で中止に追い込まれ、その後も、IMF総会やサミットの会場では、反グローバリズムのデモが頻発している。こうした動きの他に、NGOからの具体的な政策として、トービン税(外国為替取引に低率で課す税)を導入し、その収入を発展途上国への援助に充てることも提唱されている。しかしその一方で世界銀行などでは、中国やインドが自由化政策によって経済成長を遂げたように、グローバル化は世界の貧困解消につながるとする見方も有力である。

(石見徹 東京大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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