従来、教室で行われていた授業(講義)内容を家で予習し、学校の授業では予習で浮かび上がった疑問点を解決し、応用問題を解くなど、これまではおもに自宅での宿題とされることが多かった内容にあてる学習形態。学校での授業内容と家での学習の内容が逆になることから、反転授業とよばれる。具体的には、教師や塾、教育関連出版社などが作成した講義の動画(授業ビデオ)を学校から配布されるタブレット型端末などに入れて家に持ち帰り、各自で予習する。教室では疑問点について議論を行うため、一方通行になりがちな教師と生徒の関係が双方向化するだけでなく、生徒間での知識の交換が行われ、コミュニケーション能力を養えるという利点もある。また、映像が手元にあるため、一度では理解できない内容を何度も見直すことが可能で、各自のペースで学習できる。
数学、物理など理数系授業では反転授業のほうが効果的である場合が多く、アメリカでは1990年代後半から高校の授業などで取り入れられている。とくにコンピュータ科学などで実績があるとされる。日本ではこれまで教員が個々に行っていた事例はあるが、自治体としては2013年(平成25)11月、佐賀県武雄(たけお)市が初めて実験的に小学校への導入を開始した。
[編集部]