取れる(読み)トレル

デジタル大辞泉 「取れる」の意味・読み・例文・類語

と・れる【取れる/捕れる/採れる/撮れる】

[動ラ下一][文]と・る[ラ下二]
ついていたものが離れ落ちる。はなれる。「ボタンが―・れる」「表紙が―・れる」
今まであった好ましくない状態が消え去る。「疲れが―・れる」「痛みが―・れる」
(「穫れる」「獲れる」とも書く)収穫物・捕獲物資源が得られる。「米が―・れる」「近海で―・れた魚」「良質の鉄鉱石が―・れる」
そのように解釈できる。理解される。「どちらにも―・れる説明」「皮肉に―・れる」
調和した状態になる。「釣り合いが―・れる」「栄養バランスの―・れた食事
(撮れる)写真に写る。「よく―・れた写真」
(「録れる」と書く)録音される。「鳥の声がよく―・れる」
[下接句]肩上げが取れるかどが取れる圭角けいかくが取れる採算が取れる
[類語]出来る産する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取れる」の意味・読み・例文・類語

と・れる【取】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]と・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 付いていたものが、そこから離れ落ちる。
    1. [初出の実例]「紬は糸さきをぬきんづれば、はらりと中がとるるぞ」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)一)
    2. 「汗がとれて涼しくなるヨ」(出典:人情本・英対暖語(1838)三)
  3. 生じていた、あまり好ましくない状態が消えてなくなる。止む。
    1. [初出の実例]「カゼガ toreta(トレタ)」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. 「よくしこりも取(ト)れて」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)
  4. 時間がかかる。
    1. [初出の実例]「念を入れる間(ま)がとれて」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)四)
  5. 収穫物が得られる。
    1. [初出の実例]「ウヲガ ヲヲク toreta(トレタ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  6. ( 撮 ) 写真にうつる。
    1. [初出の実例]「まあ綺麗に撮影(トレ)て居ますことね」(出典:女夫波(1904)〈田口掬汀〉前)
  7. 理解される。解釈できる。
    1. [初出の実例]「結んだ口を是から開けやうとする様にも取れる」(出典:永日小品(1909)〈夏目漱石〉モナリサ)
  8. 調和の状態になる。
    1. [初出の実例]「非常に釣合がよく取れてゐる」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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