吉阪隆正（読み）ヨシザカ タカマサ

20世紀日本人名事典

吉阪 隆正
ヨシザカ タカマサ

昭和期の建築家,登山家 早稲田大学理工学部教授;首都圏総合開発研究所理事長;日本生活学会会長。

生年

大正6(1917)年2月13日

没年

昭和55(1980)年12月17日

出生地

東京市小石川区竹早町(現・東京都文京区)

学歴〔年〕

ジュネーブ・エコール・アンテルナショナル〔昭和8年〕卒,早稲田大学理工学部建築科〔昭和16年〕卒

主な受賞名〔年〕

フランス学術文化勲章〔昭和35年〕

経歴

日本女子大、東京農大講師を経て、昭和21年早大専門部工科講師、24年第1・第2理工学部助教授、34年より教授、44年理工学部長。48年日本建築学会会長、53年から早大専門学校校長。この間、25〜27年フランスに留学して、ル・コルビュジェのもとで仕事に従事、34年には設計事務所・U研究室を開設。「ヴィラ・クゥクゥ」「日仏会館」「アテネ・フランセ」「大学セミナーハウス」など設計。主著に「住居学汎論」「住居学」などのほか、「吉阪隆正集」(全17巻)があり、ル・コルビュジェの訳書もある。また登山家としても知られ、アフリカのキリマンジャロ、アラスカのマッキンリー南壁などに挑んだ。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）

百科事典マイペディア

吉阪隆正【よしざかたかまさ】

建築家。東京生れ。日欧を往復して少年期を過ごす。1933年ジュネーブのエコール・アンテルナシオナル，1941年早大建築学科卒。1950年，戦後第１回のフランス政府給費留学生として渡仏し，ル・コルビュジエのアトリエに勤務。1952年帰国。1959年より終生早大教授を務め，のちの象設計集団など後進の育成にあたった。作品に〈日仏会館〉（東京，1960年），〈アテネ・フランセ〉（東京，1962年）などがある。〈大学セミナー・ハウス〉（1965年）は，東京・八王子の丘陵地帯に宿舎・セミナー棟などを連続して配置した〈集落〉を連想させる作品。
→関連項目国立西洋美術館

出典　株式会社平凡社

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

吉阪隆正
よしざかたかまさ

[生]1917.2.13. 東京
[没]1980.12.17. 東京
建築家。登山家としても知られる。 1940年早稲田大学理工学部卒業。同大学助教授を経て，50年第1回フランス政府給費留学生として渡仏，ル・コルビュジエのアトリエで学ぶ。 52年帰国。 59年から早稲田大学教授をつとめ，同時に設計事務所を設立。コンクリートによる造型で知られる。「有形学」と称する独自の形態学をもち，教育者としても多くのすぐれた人材を育てた。おもな作品はベネチア・ビエンナーレ日本館 (1955) ，東京のビラ・クックゥ (56) ，日仏会館 (60) ，アテネ・フランセ (62) ，大学セミナーハウス (65～71) など。著作『吉阪隆正集』 (17巻，84～86) 。ル・コルビュジエの著書を多数紹介した。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

日本大百科全書(ニッポニカ)

吉阪隆正
よしざかたかまさ
（1917―1980）

建築家。東京生まれ。1941年（昭和16）早稲田(わせだ)大学建築学科卒業後、母校に残り50年助教授、59年教授となる。この間50～52年フランスに留学してル・コルビュジエに師事、帰国後54年に吉阪研究室（後のU研究室）を開設して設計活動に入る。既成にとらわれぬ大胆な造形に特色があり、おもな作品に自邸（1954）、ベネチア・ビエンナーレ日本館（1958）、アテネ・フランセ校舎（1961）、八王子の大学セミナー・ハウス（1965）がある。

［天田起雄］

『『吉阪隆正集』全17巻（1983～86・勁草書房）』

アテネ・フランセ

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

吉阪隆正 よしざか-たかまさ

1917－1980　昭和時代後期の建築家。
大正6年2月13日生まれ。吉阪俊蔵の子。フランスに留学してル=コルビュジエに師事。帰国後吉阪研究室(のちのU研究室)を創設,昭和34年早大教授,48年日本建築学会会長。作品にアテネ・フランセ,日仏会館などがある。35年早大のアラスカ-マッキンリー遠征隊の隊長もつとめた。昭和55年12月17日死去。63歳。東京出身。早大卒。

出典　講談社

367日誕生日大事典

吉阪 隆正 (よしざか たかまさ)

生年月日:1917年2月13日
昭和時代の建築家。早稲田大学教授;首都圏総合開発研究所理事長
1980年没

出典　日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」