同事(読み)どうじ

精選版 日本国語大辞典 「同事」の意味・読み・例文・類語

どう‐じ【同事】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。四摂(ししょう)法の一つ。菩薩衆生を導くために、衆生に近づいて、苦楽をともにし、事を同じくすること。
    1. [初出の実例]「讚歎四摂、自不布施・愛語・利益・同事」(出典顕戒論(820)下)
  3. 同じ事柄。また、変わりのないこと。同然。同様。〔日葡辞書(1603‐04)〕 〔嵆康声無哀楽論
  4. 連歌で、一座で用いられた同一の事柄・題材。また、類似した修辞法
    1. [初出の実例]「一座の連歌にいたく同事の多かるはあしき事也」(出典:八雲御抄(1242頃)一)
  5. 取引市場で、相場に変動のないこと。〔取引所用語字彙(1917)〕

おなじ【同】 事(こと)

  1. 同一のこと。また、状況状態に変わりがないこと。
    1. [初出の実例]「君がむた行かましものを於奈自許等(オナジコト)後れて居(を)れど良きことも無し」(出典:万葉集(8C後)一五・三七七三)

こと‐こと【同事】

  1. 〘 名詞 〙 ( 上の「こと」は「如(ごと)」と同根という ) 同じこと。→ことことは

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「同事」の読み・字形・画数・意味

【同事】どうじ

同一の事。また、事をともにする。〔韓非子孤憤死人を同(とも)にするは、生くべからず。國と事を同にするは、存すべからず。

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