(読み)ドウ

デジタル大辞泉 「同」の意味・読み・例文・類語

どう【同】[漢字項目]

[音]ドウ(慣) [訓]おなじ
学習漢字]2年
おなじ。「同一同音同時同然同等同様異同混同
ともにする。いっしょに。「同居同乗同情同封同盟共同協同帯同
集まる。仲間になる。「一同会同合同大同団結
他人と考えや調子を合わせる。「賛同雷同
当の。その。「同校」
[補説]「仝」は俗字。
[名のり]あつ・あつむ・とも・のぶ・ひとし
[難読]同胞はらから

どう【同】

おなじであること。等しいこと。「タイム」
前に挙げた語句を受けて、「この」または「その」の意で用いる語。「昨夜8時ころ出火したが、時刻には外出中であった」
前と同じ語を2回以上繰り返す代わりに用いる語。おなじく。「昭和42年入学、45年卒業」

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精選版 日本国語大辞典 「同」の意味・読み・例文・類語

おなじ【同】

  1. ( 「おなし」とも )
  2. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 形容詞「おなじ」の語幹に「だ」が付いて形容動詞になったもの。「おなじな」は「同じなのだ」のような場合に用いて、体言に続く時には語幹「おなじ」が用いられる ) =おなじ(同)〔形〕
    1. [初出の実例]「正に此(ここ)と同(おなシ)なり」(出典:法華経玄賛平安中期点(950頃))
    2. 「足の動かぬ事は前日と同じであるが」(出典:九月十四日の朝(1902)〈正岡子規〉)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 仮定の「なら」と呼応して用いられる。古くは「を」を伴って同様の意を表わす場合がある ) どうせ。どっちみち。
    1. [初出の実例]「後(のち)の亡(ほろ)びも不苦(くるしからず)。同じ无(な)く成らむを、此(かく)て止(やみ)なむ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二六)
    2. 「おなじ言ふのならお勢の居ない時だ」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

同の補助注記

形容詞シク活用「同じ」と形容動詞「同じ」は、体言に続く時の語形が同一であり、その時は用例文によって品詞を区別しがたい。この辞典では「同じ+体言」の用例は、便宜上すべて形容詞「同じ」の項に収めた。


おなじ【同】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 「おなし」とも。体言に続くときには、「おなじ」と「おなじき」の二つの活用形が用いられた )
  2. 一つのものが(時間の経過や状況の違いにもかかわらず)不変である。変わらない。同一である。
    1. [初出の実例]「月見れば於奈自(オナジ)国なり山こそば君があたりを隔てたりけれ」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇七三)
    2. 「あしひきの山は無くもが月見れば於奈自伎(オナジキ)里を心隔てつ」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇七六)
  3. 二つ以上の物事が共通性を持っている。二つ以上のものの動作、状態、程度などに違いがない。共通の様相、状況を呈する。同様である。
    1. [初出の実例]「君がむた行かましものを於奈自(オナジ)こと後れて居れどよき事もなし」(出典:万葉集(8C後)一五・三七七三)
    2. 「久しく花のなからんは、いづれの風体をも知らぬにおなじかるべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)五)
  4. ( 特に連体形で用いて ) 文脈上先行する特定の部分を指示する。前述の語を繰り返す代わりに用いる。
    1. [初出の実例]「貞観七年と云ふ年、索胄、忽に死ぬ。同じき八年の八月に至て」(出典:今昔物語集(1120頃か)九)

こと【同】

  1. 〘 副詞 〙 同じ…するなら。どうせ…するのなら。ある個別的な実現のし方をする動作を、それとは異なった実現のし方を仮想して対比し、いずれも動作としては同じであるとみなしつつ、そうした異なる実現のし方もあろうに、と考える時の、同じとみなす気持を表わす。
    1. [初出の実例]「花妙(はなぐは)し 桜の愛で 許等(コト)愛でば 早くは愛でず 我が愛づる子ら」(出典:日本書紀(720)允恭八年二月・歌謡)

同の語誌

( 1 )奈良時代の例は、すべて、「こと愛(め)でば」「こと降らば」「こと放(さ)けば」のように、動詞の未然形に接し、全体で仮定表現を構成するもの。
( 2 )平安時代以降、「ことならば」がほとんどで、「ことは」の例も若干見える。意味については、古来諸説があるが、「如(ごと)し」の「ごと」と同源で、「同じ…するのなら」の意を表わすとするのが適切か。


おやじ【同】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙おなじ(同)〔形〕
    1. [初出の実例]「橘は 己が枝枝 生(な)れれども 玉に貫(ぬ)く時 於野児(オヤジ)緒に貫く」(出典:日本書紀(720)天智一〇年正月・歌謡)
    2. 「種種に駆使せむこと諸の僕庶に同(オヤジ)くせむ」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)四)

同の語誌

用例のほとんどが上代に偏る。オナジの第二音節が子音交替したものと見る説、オナジは「オノ(己)+形容詞化接尾語ジ」であり、オヤジは、「オヤ(祖)+ジ」であると見る説等がある。→「おなじ(同)」の語誌


おんなじ【同】

  1. ( 「おんなし」とも。「おなじ」の変化した語 )
  2. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙おなじ(同)〔形動〕
    1. [初出の実例]「『ハテナ。そりゃあそれでよし。四万六千日たあな』『ハテ、それもおんなし事さ』」(出典:咄本・喜美賀楽寿(1777)四万六千日)
    2. 「このがきゃア、おんなじよふにほへらア」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)二)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙おなじ(同)〔副〕

どう【同・仝】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おなじであること。ひとしいこと。
  3. 前に出てきた字句を繰り返して書く代わりに用いる語。
    1. [初出の実例]「三月廿四日 陀羅尼品 大補得業 〈略〉同廿六日 同大補得業」(出典:法華修法一百座聞書抄(1110)三月二六日)
  4. 前に出てきた事柄を受けて、連体詞的に「その…」の意で用いる。「同問題」

おなじく【同】

  1. 〘 接続詞 〙 ( 形容詞「おなじ」の連用形から転じたもの ) 先行の事柄に、後行の事柄が並列的に付加されることを示す。また、同一の内容、種類のものを列挙する時、くり返しを避けて用いる。並びに。および。
    1. [初出の実例]「朝比奈三郎義秀、同く彦太郎」(出典:曾我物語(南北朝頃)八)

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普及版 字通 「同」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] ドウ
[字訓] あつまる・おなじ・ととのう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
卜文・金文字形は、(凡)と口とに従う。は盤の形で、古く酒盃にも用いた器であろう。口は祝を収める器である(さい)の形。会同のとき、酒を飲み、神に祈り誓ったものと思われ、会同の儀礼をいう。またその酒杯の名に用い、〔書、顧命〕は康王即位継体の大礼をしるすものであるが、そのとき新王と、聖職者太保との間に、同・瑁という酒器による献酬が行われている。土主に酒を(そそ)ぐ儀礼を示す興(きよう)、また鬯(かんちよう)を意味する(きん)の字形中に含まれている同が、その酒器である。それは会同盟誓などのときに用いるものであるから「あつまる」意となり、和合・同一の意となる。〔説文〕七下に、この字を重覆を意味する(もう)部に属し、「合會するなり」と訓し、と口との会意とするのは、合議の意とするものであろうが、口は古い字形では祝や盟誓をいう。

[訓義]
1. さかずき。
2. あつまる、つどう。
3. おなじ、おなじくする。
4. ととのう、そろう、ひとしい。
5. ともにする、なかま。

[古辞書の訓]
名義抄〕同 オナジ・ヒトシ・ヒトシウス・アツマル・トトノフ・ノリ・カタシ/異同 カタタガヒ

[声系]
〔説文〕に同声として・筒・桐・・恫・洞・銅など十四字を収める。筒・洞などは、酒器としての同の形状から、その声義をえたものであろう。

[語系]
同dongは當(当)・黨(党)tang、等tngと声義近く、ひとし、ととのうなどの意がある。

[熟語]
同哀・同悪・同案・同位・同異・同意・同一・同寅・同雲・同宴・同焉・同屋・同音・同火・同科・同懐・同学・同官・同感・同気・同軌・同帰・同揆・同羈・同義・同休・同居・同魚・同郷・同響同衾・同契・同慶・同穴・同硯・同伍・同工・同功・同甲・同好・同行・同国・同根・同座・同采・同歳・同載・同罪・同参・同産・同爨・同志・同指・同視・同廁・同事・同時・同室・同疾・同日・同車・同舎・同舟・同住・同宿・同処・同床・同牀・同乗・同情・同食・同心・同人・同仁・同塵・同井・同生・同声・同姓・同棲・同儕・同席・同船・同然・同宗・同窓・同蔵・同族・同体・同断・同儔・同朝・同調・同塗・同党・同等・同堂・同道・同徳・同内・同年・同輩・同犯・同伴・同班・同被・同病・同品・同父・同符・同風・同腹・同文・同母・同邦・同朋・同胞・同袍・同房・同瑁・同榜・同謀・同盟・同門・同憂・同流・同侶同僚・同寮・同力・同倫・同類・同列・同和
[下接語]
異同・一同・殷同・会同・共同・協同・玄同・胡同・合同・混同・参同・賛同・上同・斉同・帯同・大同・党同・不同・符同・来同・雷同・類同・和同

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