同病相憐れむ(読み)どうびょうあいあわれむ

故事成語を知る辞典「同病相憐れむ」の解説

同病相憐れむ

同じ苦しみを持つ者同士は、互いに思いやる心を起こす、ということ。

[使用例] 「イヤあれは指図じゃアない、注意サ」「フムおつう山口を弁護するネ、やっぱり同病相憐れむのか、アハアハアハ」[二葉亭四迷*浮雲|1887~89]

[使用例] 女の子は六つになるのだそうである。細君は伊織の郷里の女で肺で亡くなったのだと云った。隆吉は同病相哀れむで、似たような夫婦もあるものだと思った[林芙美子*崩浪亭主人|1947]

[由来] 「呉越春秋こうりょ内伝」に引用された、古い歌の一節。紀元前六世紀、春秋時代の中国でのこと。という国に仕えていた家臣、しょは、王から迫害されて、隣国のへと亡命しました。しばらく後、やはり楚から、旧知のはくという人物が、伍子胥を頼って亡命してきます。このとき、ある人からどうして伯嚭を受け入れるのかを聞かれた伍子胥は、「同病相憐れみ、同憂相救う(同じ病気の者は思いやり合うし、同じ心配ごとを持つ者は助け合う)」という古い歌を引用して、楚に怨みを持つ者同士だから親しみを感じずにはいられないのだ、と答えたのでした。

[解説] ❶こうして一緒に呉王に仕えることになった伍子胥と伯嚭は、力を合わせて楚を打ち破り、怨みを晴らします。しかし、その後、伯嚭は伍子胥のことをうとましく思うようになり、呉王に告げ口して伍子胥を自殺へと追い込んだのでした。ネガティブな感情で結びついた仲は長続きしない、ということでしょうか。❷やや意味が広がって、苦しみに限らず「似たような境遇にいる者」同士が同情し合う場合に用いている例も見られます。また、「憐れむ」は「哀れむ」と書かれることもあります。

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ことわざを知る辞典「同病相憐れむ」の解説

同病相憐れむ

同じ病気で苦しむ者同士は、互いに思いやる心を起こす。転じて、似たような境遇にいる者同士は、互いに同情し合うようになる。

[使用例] 女の子は六つになるのだそうである。細君は伊織の郷里の女で肺で亡くなったのだと言った。隆吉は同病相哀れむで、似たような夫婦もあるものだと思った[林芙美子*崩浪亭主人|1947]

[解説] 「呉越春秋―闔閭内伝」に、「同病相憐れみ、同憂相救う」と見え、本来は、苦境にある者同士が互いを思いやる意で用いられました。

〔英語〕Misery loves company.(不幸は仲間を愛する)

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精選版 日本国語大辞典「同病相憐れむ」の解説

どうびょう【同病】 相(あい)(あわ)れむ

同じ病気、また同じ境遇に苦しむ者は、互いに苦痛を察しあい、同情する念が厚い。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「フム乙(おつ)う山口を弁護するネ、矢張同病相憐れむのか」 〔呉越春秋‐闔閭内伝〕

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デジタル大辞泉「同病相憐れむ」の解説

同病どうびょうあいあわれむ

《「呉越春秋」闔閭内伝から》同じ病気、同じ悩みや苦しみをもつ人は互いにいたわりあい、同情しあう。

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