デジタル大辞泉 「同病相憐れむ」の意味・読み・例文・類語 同病どうびょう相あい憐あわれむ 《「呉越春秋」闔閭内伝から》同じ病気、同じ悩みや苦しみをもつ人は互いにいたわりあい、同情しあう。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「同病相憐れむ」の意味・読み・例文・類語 どうびょう【同病】 相(あい)憐(あわ)れむ 同じ病気、また同じ境遇に苦しむ者は、互いに苦痛を察しあい、同情する念が厚い。〔日葡辞書(1603‐04)〕[初出の実例]「フム乙(おつ)う山口を弁護するネ、矢張同病相憐れむのか」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)[その他の文献]〔呉越春秋‐闔閭内伝〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
故事成語を知る辞典 「同病相憐れむ」の解説 同病相憐れむ 同じ苦しみを持つ者同士は、互いに思いやる心を起こす、ということ。 [使用例] 「イヤあれは指図じゃアない、注意サ」「フム乙おつう山口を弁護するネ、やっぱり同病相憐れむのか、アハアハアハ」[二葉亭四迷*浮雲|1887~89] [使用例] 女の子は六つになるのだそうである。細君は伊織の郷里の女で肺で亡くなったのだと云った。隆吉は同病相哀れむで、似たような夫婦もあるものだと思った[林芙美子*崩浪亭主人|1947] [由来] 「呉越春秋―闔こう閭りょ内伝」に引用された、古い歌の一節。紀元前六世紀、春秋時代の中国でのこと。楚そという国に仕えていた家臣、伍ご子し胥しょは、王から迫害されて、隣国の呉ごへと亡命しました。しばらく後、やはり楚から、旧知の伯はく嚭ひという人物が、伍子胥を頼って亡命してきます。このとき、ある人からどうして伯嚭を受け入れるのかを聞かれた伍子胥は、「同病相憐れみ、同憂相救う(同じ病気の者は思いやり合うし、同じ心配ごとを持つ者は助け合う)」という古い歌を引用して、楚に怨みを持つ者同士だから親しみを感じずにはいられないのだ、と答えたのでした。 [解説] ❶こうして一緒に呉王に仕えることになった伍子胥と伯嚭は、力を合わせて楚を打ち破り、怨みを晴らします。しかし、その後、伯嚭は伍子胥のことをうとましく思うようになり、呉王に告げ口して伍子胥を自殺へと追い込んだのでした。ネガティブな感情で結びついた仲は長続きしない、ということでしょうか。❷やや意味が広がって、苦しみに限らず「似たような境遇にいる者」同士が同情し合う場合に用いている例も見られます。また、「憐れむ」は「哀れむ」と書かれることもあります。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
ことわざを知る辞典 「同病相憐れむ」の解説 同病相憐れむ 同じ病気で苦しむ者同士は、互いに思いやる心を起こす。転じて、似たような境遇にいる者同士は、互いに同情し合うようになる。 [使用例] 女の子は六つになるのだそうである。細君は伊織の郷里の女で肺で亡くなったのだと言った。隆吉は同病相哀れむで、似たような夫婦もあるものだと思った[林芙美子*崩浪亭主人|1947] [解説] 「呉越春秋―闔閭内伝」に、「同病相憐れみ、同憂相救う」と見え、本来は、苦境にある者同士が互いを思いやる意で用いられました。 〔英語〕Misery loves company.(不幸は仲間を愛する) 出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報