名所記(読み)メイショキ

デジタル大辞泉 「名所記」の意味・読み・例文・類語

めいしょ‐き【名所記】

江戸初期に流行した名所案内記。また、それに類した作品群。「竹斎」「東海道名所記」などがある。

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精選版 日本国語大辞典 「名所記」の意味・読み・例文・類語

めいしょ‐き【名所記】

  1. 〘 名詞 〙 名所を書きしるしたもの。名所案内。特に、江戸初期に多数刊行された諸国の名所案内や地誌的な内容をもつ作品群。中川喜雲の「京童」「鎌倉物語」、浅井了意の「東海道名所記」「江戸名所記」などをさす。
    1. [初出の実例]「二つして笠する烏夕ぐれて〈桐葉〉 かへさに袖をもれし名所記〈叩端〉」(出典:俳諧・千鳥掛(1712)下)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「名所記」の意味・わかりやすい解説

名所記
めいしょき

江戸時代前期の地誌名所旧跡案内記のなかで文芸的色彩の濃い書の総称。仮名草子の『竹斎』などが名所記の先駆的作品であるが,実用的記述,すなわち名所旧跡の由来道中行程などが欠けており,名所記とはいえない。中川喜雲の仮名草子『京童 (わらべ) 』 (1658) が名所記の最初で,以後,山本泰順の『洛陽名所集』 (58) ,浅井了意の『東海道名所記』などが刊行された。名所記が後世に及ぼした影響は大きく,秋里籬島の『都名所図会』 (1780) 以下の名所図会類はその代表的な例である。

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