古来名高い水。各地に伝わる名水には、神水や病気平癒の水のほか、産湯水(うぶゆみず)や歴史上の人物の名とかかわりをもつものが多い。すなわち、そのほとんどがなんらかの伝承をもち、現在でも深い信仰を集めている場合がある。しかし茶の湯でいう名水はこれらとは若干系統を異にする。茶の名水としてもっともよく知られているのは、佐女牛井(さめがい)(醒井)と柳の井、宇治橋三(さん)の間の水である。醒井は村田珠光(じゅこう)、武野紹鴎(たけのじょうおう)、千利休(せんのりきゅう)など多くの茶人に愛飲されてきた。柳の井は京都西洞院(にしのとういん)三条の織田信雄(おだのぶかつ)の邸内にあったと伝える井戸。また宇治橋三の間の水は、橋の張り出しからくみ上げる宇治川の水のことで、豊臣(とよとみ)秀吉が愛用したと伝える。ほかにも北野大茶湯に臨んで利休がくんだ「利休井」や織田有楽(うらく)の「鶴井(つるのい)」、黒田如水(じょすい)の「如水井」、細川三斎の「三斎井」などが知られている。なお名水を使うに際して「名水点(だて)」という点前(てまえ)がある。とくに定まった法はないが、釣瓶(つるべ)、水指(みずさし)に注連縄(しめなわ)を張ったり、釜(かま)の蓋(ふた)に紙紙縒(こより)で封をするという趣向がなされる。
[筒井紘一]
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