含嗽剤(読み)ガンソウザイ

デジタル大辞泉 「含嗽剤」の意味・読み・例文・類語

がんそう‐ざい【含×嗽剤】

口の中やのど洗浄消毒や炎症治療に用いる薬剤うがい薬

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精選版 日本国語大辞典 「含嗽剤」の意味・読み・例文・類語

がんそう‐ざい【含嗽剤】

  1. 〘 名詞 〙 口腔内の細菌の増殖防止や、炎症治療のために用いる薬剤。硼酸水、塩素酸カリウム過酸化水素重曹などの溶液。うがいぐすり。くくみぐすり。
    1. [初出の実例]「粉薬の儘含嗽剤(ガンソウザイ)を受取って」(出典:門(1910)〈夏目漱石〉五)

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病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「含嗽剤」の解説

含嗽剤(うがい薬)

製品名
《アズレンスルホン酸ナトリウム水和物製剤》
アズガグル(東亜薬品、日本ケミファ、沢井製薬)
アズノール(日本新薬、日本点眼薬研究所)
アズレイ(昭和薬品化工、協和新薬)
アズレワン(コーアイセイ、高田製薬)
アズレン(大正薬品工業、東和薬品、キョーリンリメディオ、杏林製薬、鶴原製薬、本草製薬、テバ製薬、健栄製薬、日本ジェネリック、共和新薬、昭和薬品化工)
アボダース(テバ製薬)
バウロ(堀井薬品工業)
マズレニンガーグル(丸石製薬)
《アズレンスルホン酸ナトリウム水和物・炭酸水素ナトリウム製剤》
AZ(ニプロ
ハチアズレ(東洋製薬化成、小野薬品工業)
《ポビドンヨード製剤》
イオダインガーグル(健栄製薬、日本ジェネリック)
イソジンガーグル(Meiji Seika ファルマ)
JDガーグル(ジェイドルフ製薬)
ネオヨジンガーグル(岩城製薬)
ポビドンヨード(陽進堂)
ポビドンヨードガーグル(日医工、中北薬品、東海製薬、マイラン製薬、ファイザー、ニプロ、あゆみ製薬)
ポピヨドンガーグル(吉田製薬)
ポピラールガーグル(日興製薬)
ポピロンガーグル(シオエ製薬、日本新薬、共和クリティケア)
《フラジオマイシン硫酸塩製剤》
デンターグル(昭和薬品化工)

 いわゆるうがい薬です。咽頭炎いんとうえん扁桃炎へんとうえん口内炎の治療のほか、抜歯後などの口の中の傷への病原微生物の感染防止口の中の消毒などに用いられます。ポビドンヨード製剤は、細菌、ウイルス真菌、原虫などの病原微生物に対して、幅広く強力な殺菌作用をもっています。


①過敏症状(発疹ほっしんかゆみなどのアレルギー症状)をおこす薬があります。このような症状がおこったときは医師に相談してください。


②口の中やのどの刺激感、吐き気、口の中のただれ・荒れなどをおこす薬もあります。症状に気づいたら医師に相談してください。


①水や微温湯で薄めて、1日数回うがいをします。1回に用いる量は薬によって違いますから、指示を守ってください。


②過去に抗生物質やそのほかの薬を使用して過敏症状をおこしたことがある人は、あらかじめ医師に報告してください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「含嗽剤」の意味・わかりやすい解説

含嗽剤
がんそうざい

うがい薬のことで、口腔(こうくう)や咽頭(いんとう)部の消炎、殺菌、止血鎮痛などの目的で用いられる。古くからオキシドール、ミョウバン水、塩素酸カリウム液、アクリノール液、タンニン酸水溶液、銅クロロフィリンナトリウム液、炭酸水素ナトリウム液(重曹水)などが知られるが、最近では散剤、顆粒(かりゅう)剤、錠剤の形で市販され、水に溶かして用いるアズレン製剤(含嗽用アズレンやアズノール錠など)がよく用いられるほか、臭化ドミフェン製剤(オラドール含嗽液)やポビドンヨード製剤(イソジンガーグル)も医療用に繁用されている。なおホウ酸水も従来よく用いられたが、毒性があるためほとんど使われなくなった。

[幸保文治]

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