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呉須土 ごすど

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

呉須土
ごすど
asbolane

陶器のコバルト色の着色原料となる不純なコバルト(Co)を含む二酸化マンガンの鉱物。不純物を多く含み、一定の化学組成を与えることが困難であるため、鉱物とみなさない見解もある。また鉱物学的にリチオフォル鉱の少量成分としてCoOあるいはCo2O3を含んだものも、結晶学的性質のみならず、陶器の着色原料として有効なため、これが呉須土の役割を果たすこともあるとされる。リチオフォル鉱は10~20%のAl2O3を含むが、本鉱ではこれが非常に低く、現在ではこれが両者の識別上もっとも有効な相違点であるとされる。多く不定形塊状集合をなし、電子顕微鏡下では微細な板状物質が確認される。
 珪質堆積(けいしつたいせき)岩の風化産物として産し、また比較的新しい地質時代の礫岩(れきがん)の膠結(こうけつ)物質をなす。珪質堆積岩は広域変成を受けているものもある。ニュー・カレドニアでは超塩基性岩の風化によって生成されたニッケル鉱床の一部で土壌中に産する。日本では、愛知県瀬戸(せと)市などでかつて呉須土とよばれたものは確かにCoOあるいはCo2O3を含んだ二酸化マンガン物質であるが、結晶度が低く、本当にこれに該当するかどうか判定できない。共存鉱物としては針鉄鉱があるが、栃木県足利(あしかが)市馬坂(まざか)で珪質堆積岩中に産した針鉄鉱と共存するCoを含む二酸化マンガン物質はリチオフォル鉱であった。
 同定上の特徴としては、マンガンの痕跡(こんせき)のない場所にみられ、比較的輪郭のはっきりした塊状あるいは不定形集合をなす。二酸化マンガン物質としては、真っ黒というよりやや褐色がかった黒色のものが多い。一般に土状であまり膠結していないものは、着色剤としては不純物が多いので向いていないとされる。英名はギリシア語で「煤(すす)のような土壌」に由来する。[加藤 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の呉須土の言及

【コバルト】より

…コバルトはニッケルといっしょに産出することが多い。おもなコバルト鉱物はヒ(砒)コバルト鉱CoAs2,輝コバルト鉱(Co,Fe)AsS,スクテルード鉱(Co,Ni)As3,カロライト(Co,Cu)3S4,リンネ鉱(硫コバルト鉱)Co3S4,コバルト華,呉須土(ごすど)(アスボライト,酸化コバルトを含むマンガン土)などで,隕石中に少量含まれることもある。主産地はアフリカのコンゴ民主共和国で,古くから有名である。…

※「呉須土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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