和国(読み)ワコク

デジタル大辞泉 「和国」の意味・読み・例文・類語

わ‐こく【和国/×倭国】

日本の国。また、昔、中国から日本を呼んだ名。
「―は、単律の国にて、呂の音なし」〈徒然・一九九〉
[類語]日本大和やまと日の本八洲国やしまくに大八洲おおやしま秋津島敷島葦原あしはらの中つ国豊葦原とよあしはら瑞穂みずほの国日東東海扶桑ふそう神州本邦本朝ジャパンジパング

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精選版 日本国語大辞典 「和国」の意味・読み・例文・類語

わ‐こく【和国・倭国】

  1. [ 1 ]
    1. [ 一 ] 日本の国。また、漢代以降、中国から日本を呼ぶ称。
      1. [初出の実例]「昔開、南岳恵思禅師遷化之後、託生倭国王子、興隆仏法、済度衆生」(出典:観智院本唐大和上東征伝(779))
      2. 「まづ哥は和国の風にて侍るうへは」(出典:毎月抄(1219))
      3. [その他の文献]〔後漢書‐安帝紀〕
    2. [ 二 ] ( 和国 ) 謡曲丹後の国の旅僧が京都の右近馬場を訪れると、歌道に心を寄せて現(うつつ)なきさまになった和国という人に出会って、歌物語をする。廃曲。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. 織物の名。
      1. [初出の実例]「孔雀織網代舛形、やうきひ和国(ワコク)などの大袖にて」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)八)
    2. わこくもち(和国餠)」の略称
      1. [初出の実例]「和国とは虎とあらそふ家名也」(出典:雑俳・柳多留‐四(1769))

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