日本大百科全書(ニッポニカ) 「商品管理」の意味・わかりやすい解説
商品管理
しょうひんかんり
merchandise control
仕入れから販売完了に至る商品の流れを合理化し、効率化するための管理活動をいう。これには、商品の実体を管理する側面と、計量とくに貨幣価値でとらえた商品を管理する側面とがある。前者の実体的管理としての商品管理は、仕入れ管理と展示管理に細分される。仕入れ管理では、仕入れ商品の選定、仕入れ先の選定、仕入れ事務手続、荷受け、保管などが問題になる。また展示管理では、値札づけ、ウィンドー・ディスプレー、店内展示、展示品の補充などが問題になる。後者の価値的管理としての商品管理では、適正在庫量の決定と維持、商品回転率の向上、銘柄・価格など要因別の売上げ記録の作成と活用、棚卸しなどが問題になる。以上のような商品管理は、従来は商人の経験とそこから得られた勘によるところが多かったが、近年、情報処理技術の発達により急速に科学化され、しかも即時化されるとともに、前述の2側面を統合するようシステム化されてきた。とくにPOSシステムpoint of sales system(販売時点情報管理システム)の発達は、販売時点からの情報の即時フィードバックによる商品管理を可能にしている。
[森本三男]