善悪の彼岸(読み)ぜんあくのひがん(その他表記)Jenseits von Gut und Böse

精選版 日本国語大辞典 「善悪の彼岸」の意味・読み・例文・類語

ぜんあくのひがん【善悪の彼岸】

  1. ( 原題[ドイツ語] Jenseits von Gut und Böse ) 哲学書フリードリヒ=ニーチェ著。一八八六年刊。キリスト教中心としたヨーロッパの伝統道徳がさし示す善悪基準は、飼いならされた家畜のもつような奴隷道徳であると批判し、こうした善悪を越えた強者の、超人の道徳を確立しなければならないと主張した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「善悪の彼岸」の意味・わかりやすい解説

善悪の彼岸
ぜんあくのひがん
Jenseits von Gut und Böse

ニーチェの用語,あるいは『道徳の系譜』 (1887) と姉妹編をなす書物題名 (86) 。ニーチェは奴隷道徳とみなされる伝統的道徳 (ことにキリスト教道徳) の善悪の規準を否定し,従来の一切の価値価値転換を通して,古典的なギリシア人うちにみられるような,善悪の観念をこえた無垢 Unschuldの人間像を追求し,力強い生の肯定と結びつく道徳を樹立しようとした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む