日本大百科全書(ニッポニカ) 「四国旅客鉄道」の意味・わかりやすい解説
四国旅客鉄道(株)
しこくりょかくてつどう
日本国有鉄道(国鉄)が分割・民営化したことにより、1987年(昭和62)4月に発足した旅客鉄道会社の一つ。略称、JR四国。英語名はShikoku Railway Company、略称はJR Shikoku。JR3島会社(JR北海道、JR四国、JR九州)に含まれる。分割にあたり経営安定基金を授与され、民営化後はその運用益で息をつないできたが、バブル経済の崩壊やその後の低金利の影響により、運用益は著しく減少している。資本金は35億円で株式は非上場、100%鉄道建設・運輸施設整備支援機構(略称、鉄道・運輸機構)の所有である。本社は香川県高松市。四国4県および岡山県の一部(瀬戸大橋線)に鉄道路線を有する。JR旅客鉄道会社6社のなかで唯一新幹線運行がなく、在来線のみで、それも最小の規模である。瀬戸大橋線以外はすべて赤字である。鉄道利用者数の減少が続いており、他方、高速道路利用のマイカーや高速バスの利用客が多く、北海道旅客鉄道(JR北海道)と並んで、廃線を進めざるをえない状況にある。
[土居靖範 2018年7月20日]